内容説明
南無阿弥陀仏―と、一心に唱えるだけでよい。比叡の山で経典を読み抜いた法然の確信である。難行の末に悟りを求めた既成教団に背を向け、易しい念仏による往生を説いた「念仏ひじり」は、きびしい日常にあえいでいた民衆をはじめ、京の貴顕や鎌倉武士たちの信をも集めた。本書は、日本の宗教にまったく新しい次元を導入し、後世に深甚な影響を与えた法然と、彼が切り開いた日本仏教の青春時代を大胆精緻に描き上げるものである。
目次
なぜ法然房か
女人往生
経典は物語る
ひじりの群れ
大仏を焼く
悪人正機
選択本願
一念義
争論を好むもの
小僧替りて死を受く〔ほか〕
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