内容説明
1949年10月1日、秋晴れの天安門広場には新国旗が打ち振られ、民衆の歓声と拍手で沸き立った。中華人民共和国、中央人民政府が誕生したのである。この新しい国家は自由主義諸国並みのブルジョワ憲法を掲げた、共産党と民主諸勢力の連合政権であった。しかし、多元的政治権力並存の期待は次々と裏切られていく。中国社会主義は出発時点ですでに社会主義そのものを変質させる体質を内包し、文化大革命の悲劇へ突き進んだのである。
目次
序章 共産党の指導の下で
悲惨な勝利
革命党はどちらか―国民党VS共産党
中国の紅い夢―民主勢力の建国構想
内戦
毛沢東の「陰謀」
二つの物語―『風呂』と『赤い暴風』
終章 紅い夢から醒めて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
バッシー
2
中華人民共和国建国時に共産党以外の民主勢力がいたのは意外に思った。そしてその後彼らは、、、中国現代史を学ぶときに読んでおきたい本2018/12/15
samandabadra
1
太平洋戦争後、人民共和国建国までのことを、まとまった形で読んだのは初めてだったので非常に勉強になりました。特に連邦制に関する議論、さらに知りたいと思いました。省の憲法を作るという案が、出ていたりしていたんですね。共産党と国民党の間に立ち、悲劇的な最後を迎えてしまった民主派勢力の方々の架空座談会笑えました。 できるならいつかこういう力の抜けた本書いてみたいと思う次第2013/10/04
kogumagugu
0
もし国民政府が民主派勢力の取り込みに成功していたら、あるいは民主同盟が政党化に成功して「第三党」として存在感を示せたら、歴史は変わったかもしれない。2016/02/20
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