中公新書<br> 金(ゴールド)が語る20世紀―金本位制が揺らいでも

中公新書
金(ゴールド)が語る20世紀―金本位制が揺らいでも

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  • サイズ 新書判/ページ数 381p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121014641
  • NDC分類 337.31
  • Cコード C1221

内容説明

二〇世紀は金本位制とともに開幕し、マクロ的には外貨国債と金現送が同一平面上にあって、金に振りまわされた時代だった。金本位制の挫折期には金の現送が行なわれた。一九七一年、変動相場への移行で、金は表舞台から退場したかにみえたが、ユーロの誕生など金融市場が変化する今も、国際経済で金を活用しようとする勢力と、金廃貨で固まった勢力が併存する。金本位制が揺らいだとしても、金の裏付けを欠いた通貨は信認されるのか。

目次

序章 太平洋戦争と金現送
第1章 為替管理なき金本位制
第2章 第一次大戦と金本位制の停止
第3章 二つの大戦のあいだで
第4章 経済大国をめざして
終章 海図なき航海

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

62
20世紀のおける金の経済的な地位を歴史の動きなどとともに分析してくれています。西洋史の先生がここまで勉強されて、経済学的な意味などあるいは金がどのように扱われたかをわかりやすく興味が持てるように説明してくれています。ただ少し文章が多く簡潔の説明できるところもあるように感じました。金本位制などを始めて勉強される方にはいいと思います。2015/09/10

プラス3

4
近代史や戦史、経済史や経済・金融の知識が無いと読みこなすのはキツい。だが、そうでなければ、これらの知識が「そうだったのか」とつながっていく良き読書体験を味わえるだろう。日本は日清戦争の賠償金で得た金(ゴールド)で金本位制を始めた。1939年まで貿易決済のために、日本は米国に毎年数十トン単位で金(ゴールド)を船で輸送してた。ニクソンショック以降も米国は金を集め続けて保有量はぶっちぎりの1位(ダイ・ハード3のあれは嘘じゃない)。金本位制の頃にも外貨や金は投機目的で売買されていた・・・。2018/09/17

おらひらお

3
1999年初版。アメリカとの開戦を前の緊迫した様子を金の視点から見た序章が面白い。なかなか『日本銀行百年史』(全七巻)読む気力はないので、本書は大事な一冊と言えそうです。読了後、すぐに日本の金保有量を確認してしまいました。2017/05/10

印度 洋一郎

2
通貨の価値を金(貴金属)で裏付ける金本位制を中心に、主要国の金の動きで二十世紀の歴史を辿っていく内容。読みこなすためには金融、経済の知識が色々必要で、必ずしも読みやすいとは言えないが、今まで気がつかなかった歴史の一面への気づきが多い。日本が金本位制へ移行するきっかけになった日清戦争の賠償金は、英ポンド立て小切手でイギリスの銀行から分割で支払われたという話はなかなか興味深かった。しかし、その後も日本の金準備高は他の列強に比べると余り増えず、第一次大戦バブルで増えた分も、日中戦争の軍需物資調達のために消えた。2023/10/04

Hiroki Nishizumi

1
参考になった。金とはイクオール国力なり。戦時公債に苦しむかつての日本国民の生活はいかほどであっただろうか。2019/03/04

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