中公新書<br> 中国革命を駆け抜けたアウトローたち―土匪と流〓の世界

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中公新書
中国革命を駆け抜けたアウトローたち―土匪と流〓の世界

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  • サイズ 新書判/ページ数 297p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121014092
  • NDC分類 222.07
  • Cコード C1222

内容説明

本書は中国革命を駆け抜けたアウトローたちが、日常生活を如何に生き、そして如何に滅んだのかを描き、中華民国期の社会史を照射する。

目次

流浪する民
無頼の系譜
土匪(民衆を襲う者;その偏在性と地域性)
村を守る
流〓と革命
赤匪―匪の技法
絆を求めて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

venturingbeyond

40
蒙を啓かれることの多い良書でした。20世紀前半に焦点をあてながら、圧政に対する民衆の抵抗のあり方を、歴史的経緯の中で形成されてきた中国の地域共同体(中国に単一の特質を有する「地域社会」なるもののみが存在するはずもなく、当然、地域毎の差異についても概観されています)の特徴と重ね合わせて論じ、血族的紐帯の希薄な者たちの間で結成される結社(含匪賊)とその擬似血族的構成、国共内戦期に両党が農村への浸透するにあたり伝統的農村社会の構造とどう対峙したかなど、興味深い論点についての認識が間違いなく深まります。2025/10/21

ヨーイチ

22
比べることに意味があるのかは兎も角、清王朝が徳川幕府、明治政府が中華民国と考えると、この本で描かれている事柄は明治から戦前頃に渡って農民と武士たちが日本各地で暴動、掠奪が頻発して、明治政府も解決できないほどの混乱があったことになる。まぁ国の概念が異なっていたにしても、日本の歴史上でここまでの無軌道振りはイメージできない気がする。逆にチャイナは「こんなことは慣れっ子だった」って気がする。まぁ天皇家も断絶してないし、応仁の乱もチャイナに比べれるとコップの中の嵐に見える。コメントでまとめるには大きすぎるテーマ。2025/11/01

Toska

10
暴力的なアウトロー世界の存在は中国に限らないのだろうけど、近代になってから、しかもこれほどの規模で国土を覆うというのはやはり稀有な例と思う。現代の中国政府が神経質なまでに下からの運動を抑えつけようとするのも、逆に民衆が無秩序なまでのエネルギーを感じさせるのも分かる気がする。政府が平気で国民に「皆さん自助しましょうね」などと呼びかける我が国とはえらい違いだが、その歴史的背景はこういうところにあったのか。2022/08/31

印度 洋一郎

10
中華民国初期、秩序が事実上崩壊した広大な中国大陸では人々が生き残るために、様々な武装集団が生まれた。この本では、特に貧窮した労働者や農民達が自衛自活のために集まった無頼の集団「土匪」、都市下層労働者の互助組織としての任侠集団「会党」、官立民営ながらも地主の私兵と貸した農民民兵組織「民団」、それに対して農民達が自発的に作った呪術結社「紅槍団」等、多種多様な武装する民衆について書かれている。「土匪」といっても、数万人で都市を襲撃して、制圧した後は略奪と破壊を尽くすというから、マッドマックスや北斗の拳みたい2016/12/06

らっそ

8
書置:ともにアウトロー集団であるとはいえ、土匪と幇会は、その性格を異にする。土匪は土着の盗匪であるように、そのテリトリーは農村にある。それに対して幇会は、水運や陸運に携わる労働者の仲間組織に起源を持つように、その組織展開も商工業および交通の発展と深い結び付きを持つ。それゆえ、幇会が最も深く浸透しているのは都会であり、その成員の供給源は都市に集まる寄る辺なき人々、都市貧民である/実のところ、日本にも人狩りをする時代、多くの人質をとり、身代金を取り立てる時代があった。戦国時代である2025/04/04

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