内容説明
日本人は日常の暮らしの中で、春夏秋冬という季節に向けての対応と、二十四節気に基づく暦の上での時候表現とを矛盾することなく巧みに受容している。それは太陽暦による生活を営む一方で、旧暦の季節表現を書簡・和歌・俳句や時節の挨拶に取り入れていることからも頷ける。それでは古代人にとって四季とはいかなるものだったのか。旧暦のもとで執務・生産し、また消費する現場を史・資料に探り、季節・時候との関わりを描く。
目次
序章 旧暦からのまなざし
第1章 村の四季―村落の歳時記
第2章 季節と万葉びと
第3章 宮廷と貴族の年中行事
第4章 負担の暦―税と力役
第5章 季節の祭
第6章 荘園の生活誌―経営と生活暦
第7章 村人の生活と祈り―絵図の中の風景