内容説明
絶えず異国、異民族と接触している地理的状況に加えて、産業革命以降の富の蓄積が、ヨーロッパにおける独自の鍵と錠の文化を育んできた。それは日常生活にとどまらず、宗教、思想、法律、工学、芸術などのあらゆる面に深い影響を及ぼしている。本書は、鍵と錠の技術的変遷やそれを支えた職人の世界を概観したうえで、図像学、民俗学、社会学、文学といった多角的な視点から、広範な隣接領域へと拡がっている鍵文化の諸相を明らかにする。
目次
プロローグ 鍵文化時代を迎えて
第1章 鍵と錠の歴史
第2章 錠前職人の世界
第3章 鍵の権力
第4章 鍵のシンボルと図像学
第5章 鍵の民俗学
第6章 鍵と空間の社会学
第7章 鍵と空間の文学
エピローグ 日本とヨーロッパの鍵文化の比較
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ハチアカデミー
11
具体的な鍵そのものと、それを生み出した社会的心性を探る考察。「個人」という概念が強くなることで、他者との境界が強く意識され、鍵が発達する。それは個人の家屋の話だけでなく、教会や刑務所などの施設から、貞節帯など身につける物にまで広がる。その使用を鑑みない、装飾品としても発展する。文化的にも、鍵と錠はアナロジーとして、絵画、歌、文学作品に登場する。「鍵」をテーマに広がりのある歴史が語られる、文化史のお手本の用な一冊である。鍵こそ出てこないが、カフカの「掟の門」は鍵という概念が表象されている、という読解も◎2013/09/08
つまみ食い
5
著者が述べているように、そもそも鍵に関する文化的な先行研究が希薄な中、鍵に関する脱領域的な研究をやっているので、必然的に広く薄く的なところはややある。個人主義と強く関わりあってきたと考えられ研究対象として重要なはずだという指摘、また西洋におけるシンボルとしての鍵の歴史やそもそもの鍵の変遷など興味深かった2023/05/22
ネムル
5
鍵と近代の社会史的な連関は大いに食い足りないが、中世のゴシック・ルネサンス・バロック等の区分による鍵の形態の変遷や、宗教画で追う鍵の表象などはなかなか興奮させられた。2014/05/16
鳩羽
2
神話や絵画の図像、モチーフとしてはもちろん、文学から歴史から幅広く鍵について紹介してある。筆者が書いている通り、ささやかな話題に過ぎず、踏み込んだ内容ではなかったかも。2011/04/23
ハイツ黒猫
1
絶えず異国、異民族、宗教と接触している地理的条件はヨーロッパにおける独自の鍵と錠の文化を育んできた。 美しい装飾も魅力的であるが、その鍵が持つ役割は財産を守る事などはもちろん、鍵に結婚の約束の意味があったりと日本人の生活の中では考えられない多くの役割を担ってきた。ヨーロッパの骨董学を学ぶにあたり、読むべき本のひとつと思う。2014/05/16
-
- 電子書籍
- 冷血公爵の攻略方法【タテヨミ】第125…
-
- 電子書籍
- 新プロゴルファー猿(1) 藤子不二雄(…




