内容説明
一九七一年七月ニクソン米大統領は世界の意表をついて訪中を発表、翌年二月歴史的な北京訪問を敢行し対中関係正常化のレールを敷いた。そのためソ連は一夜にして二正面作戦の脅威に直面した。これはニクソンの大戦略であり、彼の対中政策は正真正銘のニクソン・ブランドである。対中外交には彼の全人格的な特徴と戦略的思考が凝縮されている。本書は晩年まで米政界に外交と安全保障上の戦略的助言を与えた政治家の人間研究である。
目次
第1章 リチャード・ニクソンの精神形成
第2章 ニクソンの中国観確立までの道程
第3章 ダイナミックな戦略論
第4章 ついに「上海コミュニケ」を発表
第5章 「チャイナ・カード」論の原点
第6章 ニクソン外交に照らす日本外交の危うさ