内容説明
給与所得者、すなわちサラリーマンの給与はすべて、概算された所得税額を源泉徴収した上で支払われている。そして勤務先が国を代行する年末調整によって過不足分が清算される。煩わしい年度末の確定申告の計算から解放される便利なシステムだが、このような税制の仕組みが国民の納税者意識を低くしてはいないだろうか。意外に知られていない納税システムの歴史的経緯を辿りながら、税金論議の前提となる諸問題を読者に提起する。
目次
第1章 戦時増税の手段として
第2章 源泉徴収・年末調整の意義と仕組み
第3章 メリットとデメリット
第4章 源泉徴収制度をめぐる代表的な裁判事例
第5章 給与所得控除とその他の矛盾
第6章 問題点の整理と提言
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
史縁
1
源泉徴収=戦時下で税金を確実に徴収するための制度。戦時中は企業に協力金を配布していたが、戦後はそれもなくなり企業のボランティア。企業の負担も大きいが、従業員も収入以外に家族構成、家族の収入、保険の加入内容といった個人の雇用とは無関係な内容まで把握される。従業員は税金を納めるだけのただの客体として扱われ、個人として扱われていない。税金への関心をなくす仕組みが民主主義の衰えにつながるのかもしれない。2024/01/01
ちびお
1
日本人の政治的無関心がどのように醸成されているか、分かった気がした。会社員の源泉徴収と年末調整に抗った人たちは、大きな冷たい壁にぶつかった。その壁に何度も何度もぶつかり続けなければその壁は壊れない。 国力や一人一人の生活、主体的な生き方を考えさせられる1冊。2024/05/29
よこづな
1
ああ民主主義。絶望から転じる希望もあるかと。2009/05/16
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