内容説明
平城京長屋王邸跡と推定される地から出土した膨大な木簡のなかに、古代のミルク文化の存在を証明する「蘇」の字が読みとれるものがあった。この蘇こそ、今日のチーズである。渡来した人々により、大和朝時代、蘇は畿内を中心に広く伝播し、天皇家をはじめ貴族社会の重要な滋養源として欠かせないものだった。しかしなぜかその後の日本人の食生活から姿を消す乳製品に現代科学のメスを入れ、閉ざされていたミルク文化を照射する。
目次
第1章 『魏志』倭人伝の世界
第2章 ミルク文化の担い手
第3章 人類とミルクの出会い
第4章 今も昔もミルクは国家管理
第5章 律令制度とミルク
第6章 王朝文化とミルク
第7章 古代日本のチーズ
第8章 古代のチーズを復元する
第9章 ミルク文化の崩壊
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