中公新書<br> 関西国際空港―生者のためのピラミッド

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中公新書
関西国際空港―生者のためのピラミッド

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  • サイズ 新書判/ページ数 232p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121012029
  • NDC分類 687.9
  • Cコード C1265

内容説明

軟弱な海底に石を積み重ねることから始ったこの大プロジェクトは、長い歳月と一兆五千億円の巨費を要してついに開港にこぎつけたが、未完の工事、莫大な償却前赤字等難問は山積している。公害と地域経済、地方分権、民活プロジェクトの将来―ここには現代日本の政治経済問題のすべてが関わっているのである。本書は現代のピラミッド建設過程を、参加して技術者、財界人、政治家、官僚の証言を通して浮彫りにする試みである。

目次

第1章 孤島の戦い
第2章 激甚の下で
第3章 大褶曲
第4章 西へずらす

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mitei

216
日頃何気なく利用している空港の開業までのドキュメンタリー。本当に巨大なプロジェクトって折衝とか交渉ごとが趨勢を決めるなぁ。2019/07/22

佐島楓

17
地盤改良、騒音問題、資金の回収、政治的根回しなどなど、関空の建設の背後に、これほどまでにドラマがあったとは知らなかった。巨額のお金が動くプロジェクトだけあってピンとこない部分もあったが、地方自治や財界改革など、今も考えねばならない問題もあり、興味深く読むことができた。2013/05/30

SQT

5
関空ができるまで。①海底がやわらかくて地盤沈下を抑えるのに技術力と資金が大量に必要だった。②伊丹の騒音問題があったので、関空周辺の自治体を抑える必要があった。③伊丹を完全になくすかどうかという問題に官僚的な言い回しの機微があった。伊丹をなくすと事故もなくなるけど経済も回らなくなるから、防音工事などをはじめて既成事実をつくって反対運動を丸めこむ必要があった。④関空のための資金を調達する時期が、国鉄などの民営化と被っていたので、民間を軸に資金を集める必要があった、などなど。2017/07/28

Hiroki Nishizumi

5
関西国際空港について新聞記者らしい記録。近眼的思考に負けると今のように多くの問題が出て、また解決に時間と費用がかさむ。しかし目の前のマズイ選択肢に流れるのが人間。関空以外にも生者のためのピラミッドが多すぎる。2015/01/15

tkmt

2
一章の土木的な側面の話が続くのかと思いきや建設に関わった人たちの叙事詩的な本であった。関空建設に至る設置箇所の変遷や建設費負担の調整に関する話が面白い。今はあまり考えられない手法も多く、20世紀最後のプロジェクトであったことを痛感する2023/07/02

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