中公新書<br> フルセット型産業構造を超えて―東アジア新時代のなかの日本産業

中公新書
フルセット型産業構造を超えて―東アジア新時代のなかの日本産業

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  • サイズ 新書判/ページ数 193p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121011589
  • NDC分類 602.1
  • Cコード C1234

内容説明

すべての産業、技術を保持し、開発から量産に至る全過程に展開する「フルセット型産業構造」は、日本の成長の原動力であった。しかし今、鋳造、機械製作など基盤的技術の崩壊によってこの構造は解体に向かっている。日本産業再活性化の道をどこに求めるか。現在までの発展を支えた中小企業の分析を基に、技術の集積構造の現状と未来を探り、東京圏と地方圏、近隣諸国とくに中国との機能の持ち合いによるアジア・ネットワークを提唱する。

目次

第1章 基盤的技術の中国への展開―90年代の新たな潮流
第2章 フルセット型産業構造の解体―東アジア三極構造の形成
第3章 日本産業の支持基盤―「公共財」としての大田区工業集積の現在
第4章 東アジアの技術基盤
第5章 中国―東アジア最大の工業拠点形成の予感
第6章 東アジア新時代のなかの日本産業

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

すぎえ

4
15年ほど前に書かれた本。本書はフルセット型産業構造から東南アジアへの産業ネットワークを活用した産業構造へパラダイムシフトすることを述べた本だ。人件費を浮かすためだけの中国工場進出から技術基盤が徐々に進出したり、育成されていくという話。その一方で素形材などの技術基盤について海外と提携していくことが大切だとする。日本の優秀な中小企業は大田区や下町地域に密集していたが、バブルの不動産利用やバブル後の資金繰りの悪さ、為替による劣勢によってだいぶ弱体化してしまったためだ。たしかにそういった流れはあるのかもしれない2010/03/27

しんちゃん

0
かなり昔の本だが、著者が指摘していたことが今現実で問題となっている。鋭い洞察に感服。2014/01/19

denken

0
注文を放り込めば,なんでもこなしてくれた中小零細企業の大群が,歯槽膿漏的に崩壊した。これら中小零細企業は日本産業の基盤的技術を担ってきた。「公共財」とまで名付けられる程に,日本の発展に際して重要であった。これら中小零細企業は,3Kを筆頭に,その泥臭いイメージのおかげで,80年代以降は新規創業が停滞してしまった。それらが停滞しても,求められるのは安さであり,供給が減っても価格は高騰せず,諸外国の中で基盤的技術の割りと存在する中国,特に大連瀋陽に注目が集まった。2012/04/30

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