内容説明
本書は、近世の武士社会にあって、江戸とは異なる大都市の騒めきの中で暮らす人々の生気溢れる姿を、その歴史に捉える。
目次
1 書物に描かれた町の姿
2 町の住民と構成
3 町の暮らし
4 娯楽と行楽
5 市政・町政と町民の「自治」
6 町民・農民の闘いと義人伝承
7 余談―生活と生産
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
3
江戸時代の大坂を概観する本。江戸後期の学者による江戸と大坂の文化比較書を中心に、大坂の社会、経済、文化などを紐解く。武士が圧倒的に少ない大坂は、商人が主導する経済都市でもあった。行政も制限選挙で選ばれた町人(江戸期の町人は、家を持った家持やその委託を受けて家を管理する家主だけ。奉公人や店子は町人ではなかった)が自治を担い、当時の経済の基軸である米を商う米商人や、手工業を支える大工が大きな影響力を持っていた。又、相撲や寺院の開帳、神社の砂持(民衆参加の改修工事)等の民衆が熱狂したイベントにも注目している。2020/02/15
mochico
2
市図書館。市政のことなど。2015/01/05
すーさん
0
近世大坂の町人がどのように暮らしていたかを、江戸から大坂へ転勤となった武士の目を通じて書かれた書物を解読することで知ることができた。鱧を食べるが鰹を食べない大坂人。奉行の名前も知らない大坂人。野菜を売りたいし、育てるために新田を開墾する大坂人。風俗営業をしていた風呂屋を止めるために、通常の銭湯を営んでいた湯場も共に混浴を止められた。2017/12/16
わ!
0
いい本である。大阪(大坂)を学ぶに際して、一番役に立った本なのかもしれない。考えてみれば大坂という町は、かなり特種な町である。京都のように公家が住んでいるわけでなく。江戸のように武士が過半数近く住んでいるわけでもない。町人が人口の大部分を占め、その中でも商人が力を持っていた町。江戸時代における大坂は、あまり平均的な町とは言えないように思える。大坂三郷というのも、そう考えると面白い。天満組、北組、南組。あくまで武士以外の町人による自治団体である。2014/11/10
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