内容説明
ハチは“腰がくびれていて、刺されると痛い”だけの昆虫ではない。十数万種を誇る昆虫界屈指の大グループの最大の特徴は、「社会性」を獲得したことにある。母と娘の役割分担―カースト分化―によって給餌と育子の効率化に成功したのである。本書はホクダイコハナバチの生活史を丹念に掘り起こしてその社会構造を明らかにし、ハバチ、ヤドリバチ、カリバチ、ハナバチと一億年を超す進化の跡を辿りながら家族と社会の誕生と変容を追跡する。
目次
1 ハチの出現と進化
2 巣の外で
3 巣と住民
4 ホクダイコハナバチの生活史
5 多様な社会構造
6 生活と環境
7 さまざまな社会
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
orangepelican
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この本は・・、面白すぎでした。一つはホクダイコハナバチの生態と、ハチが社会性を持つに当たっての種分化や進化の系譜。これがものすごく興味深く、おもしろい。そして、ホクダイコハナバチの生態を解明していく著者の研究は考え方、視点がかなり面白く、勉強にもなる。著者の非常にバランス感の優れた考察が読んでいてとても心地よい。また、自然保護に対しての著者の考えも記されていて、勉強になります。いやしかし、こんなに面白い本とは思わなかった。ハチ、特にハナバチにより一層、興味を持てました。2015/10/11
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- 和書
- 闇の梯子 講談社文庫