中公新書<br> トーマス・マンとドイツの時代

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中公新書
トーマス・マンとドイツの時代

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  • サイズ 新書判/ページ数 221p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784121010803
  • NDC分類 940.28
  • Cコード C1290

内容説明

ドイツが世界を震撼させ続けた19世紀後半から20世紀前半を生き、「世界にかくも良きもの美しきものを与えた」のに、「再三再四かくも宿命的に世界の厄介者となったこの民族の性格と運命にひそむ謎」とはいったい何かと世に問うたドイツの代表的作家トーマス・マン。すぐれた論理的思考と、ロマン主義的愛国心が同居する矛盾というドイツ民族の悲劇性を自らのうちにみつめた作家を通して「ドイツの時代」の社会と文化の特徴を語る。

目次

1 作家としての生い立ち―世紀末デカダンスと健全な市民性
2 物語作家の出発―作品からうかがい知るドイツ社会
3 栄光と亡命―家族とともに
4 ドイツ人、トーマス・マン―孤独と誇り
トーマス・マン略年譜

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

コニコ@共楽

24
読書会でマンを読むので、参考にと思って手に取ってみた。作家の生い立ちの中で、マンが、ドイツの港町リューベックの豪商の生まれであることが語られる。自由都市リューベックのハンザ同盟が、中世ドイツの要であったようだ。マンがそんなハンザ都市の家の出であることを誇りに思う一方で没落も感じているのも彼特有の複雑な二面性なのだろう。マンが商人的手堅さで、印税をガッチリ取っていたことも面白かった。若い時に印税を固定給で月々120万円ほどもらっていたとは。後半は、ドイツの時代という点がほとんど論じられず今一つだった。2021/06/23

Michael S.

6
トニオクレーゲル、魔の山、ブッデンブローグ、を読んだことがある。どれも気に入ってるが、小説の背景の、ハンザ同盟都市やその市民(商人)の習俗(4時になってようやく昼食をとる云々・市参事会員・オランダ名誉領事)など文化背景の知識がなかった。その辺の説明がなんとなく理解できた。ヨセフとその兄弟・ワイマールの・・、ファウスト博士などの作品を今後読みたいと思った。旧約聖書のヨセフ、若きウェルテル・・、ファウスト(これは読んだ)を先に読む必要があるかもしれない。うーん、マンに魅かれると、読書体験が広がりますね。 2018/05/30

tieckP(ティークP)

3
再読だが、かつてはマンの作品に興味があっただけなので、今あらためて一冊の著作として読むと、変てこな魅力に気づかされる。題名自体に無理があって、著者はマンの妻カチアと知合いで、マンの訳者でもあるという点から特権的にマンについて語る一方、豊富な知識を元にして19世紀前後のドイツについて文化論を展開していて、統一は取れていない。マンの小説に出てくる食事場面の紹介はほとんど要約に過ぎない。マンがカチアと出会った場とはいえ、19世紀のサロンの意義の説明は脱線に見えてしまう。カチア夫人との交流の場面はもうエッセイだ。2020/10/28

ゴリラ爺

0
①②歴史とドイツの地理的背景③評伝④作品解釈、講演、思想性…③④の文章は見事。2021/07/19

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