内容説明
マダガスカルは6500万年ほど前、エピオルニスのような古い走鳥類などを乗せてアフリカ大陸からインド洋に向け漂流してしまったため、その後に大陸で新たに出現した動物は一部しか渡ってこられなかった。本書は、自然の聖域として動物の進化の研究に格好なこの島へ学術調査に出かけた鳥類学者による観察記録で、奇妙なくちばしをもつモズ類等の生態と島の自然環境、そこに生活する住民の姿を生き生きとした筆致で伝えてくれる。
目次
第1章 首都アンタナナリボ
第2章 奇妙な嘴を持つモズたち
第3章 ペリネの森
第4章 南への旅
第5章 ワナキツネザルの森
第6章 北の森
第7章 砂漠のタコノキ林
第8章 スケトベの森
第9章 マダガスカルは今
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
梅子
2
固有種の宝庫マダガスカル、そこで主に鳥類(オオハシモズ)の生態調査を行うフィールドワークもの。生物学分野の調査研究の過酷さがよく分かり、加えてアンタナナリボの人熱や陸の孤島マルアンツェトラなど、マダガスカルの人々の生活世界を覗き込むような面白さがある。登場する動植物の多様性にも驚かされる。薬指だけ骸骨のように細いアイアイ、同じ種族とは思えない程多様なモズ、蛸を逆さにしたようなタコノキ…。適応放散という概念を下敷きに、限られたニッチをどの生物埋めるかという逆算的発想で生態調査していくやり方も興味深かった。2023/10/31
黒胡麻
2
マダガスカル島の風土や人々の暮らしが興味深かった。90年の時点で森林破壊がかなり進行しており調査目的の鳥もなかなか見つからない。この本が書かれてから20年以上たった現在の状況が心配だ。2016/03/23
カネコ
0
◎2010/07/20
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