中公新書<br> 手芸が語るロココ―レースの誕生と栄光

中公新書
手芸が語るロココ―レースの誕生と栄光

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  • サイズ 新書判/ページ数 201p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784121009944
  • NDC分類 594.3
  • Cコード C1222

内容説明

十六世紀のヴェネツィアに、イスラム社会の影響を受けて生まれ、バロック、ロココと、装飾の時代が進むにつれて技術の発展と地域の拡大を示してきたレースは、フランス革命のころを境として経済効率重視の工業化社会の中に消滅してしまった。本書は、刺繍、編物と並ぶ三大手芸のひとつと呼ばれながら、あまりにも短い期間に栄華を極め、類いなく繊細な作品を残したレースの歴史を辿り、装飾美術と社会の関係を考える試みである。

目次

第1章 ヴェネツィアの魅惑
第2章 ニードルポイント・レースの誕生
第3章 イタリア・レースの発展
第4章 フランス・レースの誕生
第5章 ベルギー・レースの始まりと発展
第6章 イギリスのレース
第7章 ドイツ・オーストリア・スイスのレース
第8章 フランス・レースの発展
第9章 ベルギーのレース、その後
第10章 スペインとポルトガルのレース
第11章 スペインから海外へ
第12章 手工レースと機械レースの競争
第13章 世紀末以後

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

帽子を編みます

50
レース、現代では刺繍、編み物と並ぶ手芸あるいは装飾としての素材が思い浮かびます。この新書は図版は小さな白黒、ポワン・○○(地名、国名など、レースの技法)など専門的なカタカナがびっしりの本ですが、思いがけず面白く読みました。ロココ時代にレースという素材が各国に広がってあるいは廃れていく状況、これは現代での先端産業の経済戦略と重なります。技法の開発、囲い込み、模倣、技術者の育成、引き抜き、新技法、素材の確保、インフルエンサー(国王や王妃)などによる宣伝、流行による栄枯盛衰。レースの最盛期を知る一冊です。2023/04/05

almondeyed

0
『世界のかわいいレース』は、この本の図録集として買ったようなものだ。古い本のせいか、名称が不正確だったりもする。「リーバース」ではなくて「リバー」が正しい。レースの歴史、技法やレースにまつわるエピソードを国別に紹介していて、内容的には今でもいちばん詳しいレースの本ではないか。但しタティングレースは載ってない。2013/04/02

nekoneko

0
著者の本2冊目。レースについてここまで研究されたことに感謝。専門用語が細かすぎてついていけない部分もあるがレースの歴史とその背景、栄枯盛衰について国ごとに書かれているのでわかりやすい。ナントの勅令廃止が与えた影響、マリーアントワネットはあまり豪華なレースは好きじゃなかったことなど興味深い。その時代の歴史についても興味がわいた。2021/04/29

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