内容説明
祖国独立を夢見るアウンサン以下30人は、南機関の手により、秘かにビルマを脱出し、日本に向かった。行く手には、各地での厳しい軍事訓練が待っていたが、30人は、国民性の違いが生むさまざまな戸惑いと障害を、アウンサン統率のもと若い情熱によって克服し、日本軍のビルマ進攻に義勇軍を結成して参戦、イギリス統治下の祖国奪還に成功した。しかし、この後、ビルマは真の独立を目指して日本軍に対する一斉蜂起を敢行した。
目次
アウンサン、ビルマを脱出する
南機関誕生
30人志士第2グループのビルマ脱出
脱出の船のなかで
箱根の桜
海南島での軍事訓練
厳しい訓練のなかで
ビルマ独立義勇軍〈BIA〉結成
祖国への凱旋
日本とビルマの軋轢
対日反乱にむけて
アウンサン暗殺
アウンサン亡きあとのビルマ
43年後の対決
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
4
イギリスの植民地支配にあったビルマ(現ミャンマー)独立のため、密かに日本軍の訓練を受けた若き独立運動家たちである「三十人志士」の一人が、太平洋戦争直前から末期までの道のりを振り返った回顧録に訳者が随時解説を加えた一冊。著者は独立後のビルマで政府の要職を歴任したという。記述の中心は、ビルマからの脱出や日本での異国体験など青春グラフィティ的な内容も含みつつ、日本軍による訓練(やはりビンタが問題になる)、思惑の異なる日本軍との軋轢を抱えたビルマへの進攻や戦争末期の対日蜂起へと向かう。貴重だがあっさりした内容。2020/09/15
ビリー
2
ミャンマー独立のために日本軍と共に訓練を積んだ三十人の志士の記録。その中の一人だったボ・ミンガウンの著書を訳者が編集し解説をつけたもの。当初は日本軍とは協力関係にあったがやがてミャンマーの独立を認めない日本軍に反旗を翻す。その過程や日本軍による蛮行などは日本人として直視し難いが、新鮮な視点で歴史を見ることができ、勉強になる。この三十人志士のメンバーでありアウンサンの後継者を自称するネーウィンが独立後に軍政を敷き、アウンサンの娘であるアウンサンスーチーと民主化を巡って対立することになるのはなんとも数奇。2017/06/16
OMO
1
面白さ:○ 興味:○ 読みやすさ:○ 新鮮さ:○ 文学的云々:×2024/03/17