内容説明
多様な顔をもち、激しく変化しつづける現代社会をどう把握するか。本書は、実践的関心をもってこの課題に応えようとしたレーニン、ウェーバー、村上泰亮、山崎正和ら東西の思想家の試みを、帝国主義論、大衆社会論、産業社会論、管理社会論、消費社会論に大別して、各々を時代背景の下に分析する試みである。これによって現代思想史が俯瞰されるとともに、若い読者にとっては恰好の現代思想入門書となり、ブックガイドにも役立つ。
目次
第1章 帝国主義論
第2章 大衆社会論
第3章 産業社会論
第4章 管理社会論
第5章 消費社会論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
8
「カウツキーは…修正主義者と論争するとともに、ロシア革命後は暴力革命やプロレタリア独裁をめぐってレーニンと論争したりした。レーニンが『(略)カウツキー』を書き、彼を背教者と呼んだため、レーニンの信者たちの間ではかれの名は、たいへん評判が悪い…しかし…歴史家あるいは経済学者としてのカウツキーには、今日でも一応付きあう必要がある」「オルテガ「大衆とは『平均人』のことである。」群衆の概念は、1895年に刊行されたル・ボンの『群衆心理』や1901年に刊行されたタルドの『世論と群衆』などによって彫琢されたもの」2019/12/21
遠山太郎
1
帝国主義論、大衆社会論、産業社会論、管理社会論、消費社会論の著名な60冊。現在の偶然を手がかりとして、過去の必然と未来の可能とを、対立物のまま統一しようとする「現代社会論の全体像」を示そうとする試み。社会科学者や思想家の実践的関心は作品として現れるだろうからだ。日本での社会論の未洗練・未定着への危惧でもある。まあ「糊と鋏でつくった」佳作であるから、それはいいとして。小説もふくんでたし、知らなかった著作もしれた。(12011/06/10
ミツ
1
帝国主義論、大衆社会論、産業社会論、管理社会論、消費社会論に大別し、それぞれの分野の代表的著作を紹介している。理論書の他に小説なども取り上げられているので、読みやすい。ただ現代社会論の割には情報社会論が抜け落ちているのは痛い。2009/01/09
武井 康則
0
帝国主義論、大衆社会論、産業社会論、管理社会論、消費社会論のそれぞれについて、現代の書物12冊で考察する。それぞれまず、「闇の奥」「月と6ペンス」「ロビンソンクルーソー」「森の生活」「ドン・ジュアン」を導入に、レーニン、アーレント、幸徳秋水、山崎正和と縦横無尽に引用し、解説する。著者が一人ですべて書き、素人にも読みやすい工夫がある。しかしさすが計60冊では一冊につき、2ページほどで少し言葉足らずか。2017/06/03
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