内容説明
5千年の歴史と文化が彩る韓半島には、中国・韓国(朝鮮)・日本など、東アジア諸国の歴史が孕むダイナミズムのなかに、韓民族の諸王朝が興亡する。本書は、檀君朝鮮の建国から1948年の南北分断までを「父が子に語る韓国史」として描く。
目次
韓国神話と歴史のあけぼの
三韓三国と神話の時代
高句麗の盛衰
百済の興亡
新羅の発展と韓半島統一
高麗王朝時代
朝鮮王朝時代
日本帝国主義下の朝鮮、そして独立
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
179
高句麗・新羅・駕洛の祖は卵から生まれた。日本の天孫降臨にも共通点がある。色んな神話を比べれば偏狭に陥らずに済む。衛氏朝鮮や高句麗は、漢の武帝や随の煬帝を撥ね返す力を持っていた。7世紀、紛争の絶えない高句麗と百済は唐・新羅連合軍に蹂躙される。だが唐が新羅を攻めると、高句麗や百済の民は新羅に味方し、新羅が韓三国を統一する。次いで高句麗の遺民が渤海を建国し、もっと後には高麗を興す。このように常に外敵を意識しつつ韓半島は結びついていった。だがこの国の統一は、清への屈服、日本の植民地支配、米ソ冷戦によって失われる。2021/04/01
Tomoichi
21
韓国・朝鮮半島関係の本を集中的に読んできて締めくくりに、支那史に比べて隣国なのに印象が薄いので王朝の名前は知っていてもそれだけって感じだったので、勉強になりました。最後の特に李氏朝鮮は駆け足だったのが少し残念でしたが大して事件もなかったのかな?2024/01/13
佐島楓
18
歴史的資料というより、読み物として面白かった。ページの多くを割いて書かれる古代朝鮮の神話は、ユニークでなぜか色彩豊かに映った。人間と同じで、国同士も少しでもお互いを知り、敬意を抱きあうところからはじめないといけないと思った。2012/10/30
二人娘の父
13
韓国=朝鮮の歴史の概説。特に古代の神話の記述に頁を多く割いている。私が知りたかった李氏朝鮮時代は、ほんの触り程度。類書で補足すべきと決意。興味を持ったのはいわゆる「全羅道差別」起源が、高麗時代にあるという指摘。そこまで根深い問題なのかと受け止めた。2021/12/08
ゆうきなかもと
10
柄谷行人は、「帝国の構造」で「日本に起こったことの特性は、たんに帝国の「中心」と比較するだけでなく、「周辺」と比較しないと、わからないのです。」と述べ、そのあとに日本の歴史家、思想家が日本を中国との比較だけから理解しようとし、韓国との比較を試みないことを批判している。だから試しに本書を読んでみた。 半分以上が神話に費やされている。もっとも興味のある中世~近、現代部分がものすごい駆け足で残念>_< 韓国人、朝鮮民族の建国神話を知るには最適な本かと思う。2015/10/16