中公新書<br> 幕末遠国奉行の日記―御庭番川村修就の生涯

中公新書
幕末遠国奉行の日記―御庭番川村修就の生涯

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  • サイズ 新書判/ページ数 204p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784121009173
  • NDC分類 210.58
  • Cコード C1221

内容説明

度重なる建直しにもかかわらず、徳川政権の屋台骨は日増しに脆さを露呈し、しかも近海には異国船出没のうわさが飛び交い、日本全土が不穏な空気に包まれていた。その中にあって、小身旗本ながら才能と見識を見込まれた川村修就は、新潟をはじめ堺、大坂、長崎と要衝の奉行を歴任する。将軍直属の御庭番として、探索活動の中で培われたであろう緻密な行動力で破格の昇進を果たし、多難な時代を生きた幕臣の生涯と幕末の実相を描く。

目次

1 御庭番と新潟湊抜荷事件
2 海防と新潟奉行拝命
3 川村修富、修就の日記抄
4 行動する新潟奉行
5 敏腕奉行の施政と業績
6 長崎奉行への歴程

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えぬ氏もわるよのぉ

9
幕府の直轄領を預かる遠国奉行を何か国も務めた能吏・川村修就(ながたか)は、本来は御庭番家筋の家柄。そっちの仕事である新潟湊の抜け荷(密輸)調査の報告書が興味深かった。時代劇の影響で御庭番というと忍者のようなものを連想してしまうが、実際の仕事は検事や刑事の犯罪捜査のようなものであることが分かる。2022/06/12

たけはる

8
小説の資料用に。遠国奉行がどんな職務で、どういう経歴を辿って出世するのか……みたいのが知りたかったので内容的にはドンピシャ。江戸官僚のシステムもちょっぴりわかり助かりました。ただしメインが、本書主人公が新潟奉行として勤めた時代だったためにそこの比重が大きく、堺奉行や長崎奉行時代のことがほぼ書いてなかったのが残念。(特に長崎奉行のことを知りたかったのだが……)あとやはり江戸時代の、というかどこの時代どの国でもですが、官僚制の構造やシステムというのはめちゃくちゃややこしい。スパッと概略のわかる本が欲しい……。2021/01/17

印度 洋一郎

2
幕末、御庭番の家計に生まれ、その優秀さを買われて、新しく幕府直轄地になった新潟の初代奉行に就任した幕臣の詳細な日記を分析。奉行になる前に、当時譜代名門の牧野家領地だった新潟で横行していた抜け荷(密貿易)を捜査しているのだが、鎖国下での海外製品の流入の実態が詳細にわかる貴重な証言だ。そして、新潟奉行になってからは、幕府の無理解・無気力によって川村が目論んだ外国船への沿岸防備は事実上骨抜きにされるが、それでもめげずに民政に取り組んだ姿には頭が下がる。今の新潟市には、川村が残した防風林が残っているのだ。2014/01/04

とーる

1
川村文書と呼ばれる膨大な資料の概要を紹介した本だが、感情を交えず淡々と記録されているという日記を是非直接に読んでみたくなった。頻々に来航する外国船、精力的に駆け回る元隠密の川村修就、格式に法って悠長に構える幕府の高官たち。妙に今の時代に重なる情景に思えるのだが、川村修就だけが見当たらない。2012/05/02

tarbow59

0
☆☆☆☆2007/01/24

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