中公新書<br> 星亨―藩閥政治を揺がした男

  • ポイントキャンペーン

中公新書
星亨―藩閥政治を揺がした男

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 208p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784121008695
  • NDC分類 312.1

内容説明

日本最初の国際弁護士であり、不平等条約下の時代に列強公使と対等に渡り合う気骨の官吏であり、また私費を投じて新聞を発行し、地方遊説に身を投じた民権運動家、かつまた庶民政治家として初めて明治藩閥政府の中枢に喰い込み、新興実業家の庇護者になるなど、星亨は多面体の人である。本書は、〈押しとおる〉と称される強引な手腕を駆使したが故に、金権腐敗の元凶として倒された、明治の新しい政治家の曲折多い軌跡をたどる。

目次

1 星亨登場(衆議院議長;生い立ち)
2 民権運動家(自由党結党まで;自由党入党;入獄と解党;藩閥主導体制の促進;活動再開と弾圧;欧米再渡航)
3 代議士活動と挫折(院外での活躍;議会進出;藩閥との提携)
4 権力への乱入(党主導権の掌握;政界の立役者;星の評価)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ジュンジュン

7
自由民権運動関連本に必ずでてくる星亨。名前をもじって、"押しとおる"豪腕ぶりで、自由党の実力者に、次いで政友会結成の立役者になる。強引に立身出世を果たす姿は、離合集散を繰り返すなかで"映える"。2021/02/14

かみかみ

1
評価:★★★★ 図書館で読む。江戸の貧民から英語教師、日本最初の代言人(弁護士)を経て政治家に成り上がった異彩の人・星亨に焦点を当てた評伝。薩長土肥の派閥に属さず、藩閥に対抗するため、大胆かつ不遜に自由民権運動の擁護や公共事業に基づく利益誘導政治を展開した彼は、複雑かつ多彩な側面を持つ「怪傑」にふさわしい人物だということがよくわかった。という時代が違えば田沼意次のような政治家になっていたのではないかと思った。政治家としては最期は暗殺されたように、多くの敵を作ったが、身内には優しかったというのも高ポイント。2015/11/05

rbyawa

0
e216、第二世代の薩長土肥のいずれにも属さず(教育を受けたものの東京市街地の貧民層出身)、という身分でほとんど唯一の政界で活躍することになった人物で、ただし金権政治の代表格のように言われ、しかし死ぬ時は財産を使い果たしてすっからかん、全ての財産を政治に注ぎ込んだ人物のようです。うーん、ある意味で、この人がその始めての例になり、どんな手段を使っても政治にしがみつき続けたことそのものに意味と価値があるのかな。身分制度に風穴を開ける存在そのもの、なにかを残したかと言われるとちょっと最後まで心許ないんですがね。2014/08/04

千住林太郎

0
貧しい大工の家に生まれ、自由民権運動の旗手として活躍し、衆議院議長や逓信大臣などの要職を歴任した星亨。しかし、彼は金権政治の権化という悪評を背負っていた。権力を確保するために、金権政治や藩閥政治との提携を行った星は、一概に責められるだろうか。時系列が前後し、読みにくい箇所があるが、星亨という人物を知るためには手堅い入門書である。2013/11/07

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/2186044
  • ご注意事項

最近チェックした商品