内容説明
湿原は陸でも水でもなくその中間の存在、いわば“水を含んだ巨大なスポンジ”である。ミズゴケから森林へ、湖から草原へと変貌してやまない。数千年にわたって堆積した泥炭には数々の伝説と歴史が閉じ込められている。水芭蕉、ワタスゲなどが四季折々の景観をつくり、丹頂鶴はじめ貴重な動物の棲息地となる湿原は、一方で農地、宅地として、また工業原料に開発されつづけてきた。湿地の機能を考え、その歴史と文化を紹介する。
目次
1 湿原のかくしていたもの―伝説と事実
2 谷地というところ―湿原の成立と発達
3 笠田から北大荒まで―変化する湿原
4 湿原の仕掛けとかたち―植物の適応
5 幻の魚からタンチョウまで―湿原の動物
6 湿原に道を造る―木の道、氷の橋
7 泥炭の無限動力サイクル―湿原の利用
8 衛星から見える火事―湿原の保全
9 水面の見えないダム―湿原の機能
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