中公新書
戦略的思考とは何か

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  • サイズ 新書判/ページ数 279p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121007001
  • NDC分類 390.4

出版社内容情報

先進国の大学で、戦略や軍事と題した講義を聞けない国は日本だけだという。しかし、日本が自分の意思にかかわらず戦争に直面せざるをえない場合のことを考えておくのは、平和を望む者にとって、ごくふつうの教養の一部なのではあるまいか。歴史への深い素養と、豊かなコモンセンスに裏打ちされた本書は、あくまで戦後日本が達成しえたデモクラシーの復元力に希望を託す、初の国家戦略論である。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

徒花

145
タイトルだけ読むと個人がビジネスなどで使う思考法の本にも見えるが、本書は1983年に発売された、日本国家としてこれから戦争が起きた場合に備えてどのような戦略を持っておくべきかをまとめた一冊。日清、日露戦争から太平洋戦争にかけての日本の戦略と、その後の東西冷戦、そして安保闘争などの時代を経て、世界情勢を分析しつつ日本が取るべきスタンスを提唱。最後は現代日本を攻め落とすための戦略について述べられていて、これはこれでおもしろい。2020/06/22

とくけんちょ

42
古い本ではあるが、今読んでもというか、今読むからこそ戦略的思考の必要性が身に染みる。本書は、どう自国や自国民を守るかが書かれている。今だからこそ、国防という思考が身近にある。本書にあった、何を守るか、決して自衛隊は捨てたもんじゃない。首相がいう今生きる国民の責任、それでいい。国防は国民一人一人の責任でいい。何もかもに反発しなくていい。自国の権力には反発して英雄か、それでいて他国の権力には隷属か、国防は対外なのに。2022/12/15

白義

21
米ソ二極モデルという冷戦思考まっしぐらな世界観をベースにしている限界は露骨なものの、日本を取り巻く地政学的制約を歴史から振り返り、イデオロギーとパワーポリティックスの関わり、情報分析の重要性など重要な論点を巧みに解説していて、日本における戦略論普及の古典として今読んでも面白い。近代日本の戦略的失敗の源は、日露戦争の勝利から生まれた、という箇所は語りの面白さも冴えている。日本の大学に軍事学が普及しないのは戦後由来ではなく、戦前の統帥権独立が源と指摘するなどあとがきまで含めて読み応えあり2015/03/23

ベンアル

17
ブックオフで110円で購入。作者は主に外交官として働いており、文藝春秋で連載されたものを1983年に中公新書で出版している。古くは元寇から日清戦争、日露戦争、2つの世界大戦から当時の冷戦に至るまでの日本の軍事戦略、外交戦略を説明している。日本は島国であること、韓国がバッファーであること、中国は周辺の国を占領した歴史がないことから、戦略に乏しい。そのため、戦略を考えることはなく、特攻など精神論に走りがちである。とてもお買い得だった。また読みたい。2022/09/04

無重力蜜柑

16
戦略論の古典。日本で軍事分野が一般に論じられ始めた頃の本なのかな。極東ソ連軍が膨張を続ける米ソ新冷戦の中、日本(のエリートと国民大衆)に戦略論的知見が致命的に欠如していることへの著者の危機感が見える。主張はいくつかあるが①日本はアングロ・サクソンと組むしかない②同盟があろうがなかろうが日本列島の地理的条件が戦争を不可避とする③政策決定にも世論形成にもまず正確な情報とそれに基づく戦略が不可欠。当時の時代の雰囲気が伝わる良著だが、特にソ連の圧倒的な脅威が印象的。相対的軍事力だけでいえば今の中国以上かも。2022/08/13

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