感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
梅村
5
近代日本廃娼運動について、婦人矯風会・救世軍の活動に着目しつつ記した一冊。明治大正の人権・男女同権意識の高まりの中で、何故人々の関心が性風俗商業環境の改善の方には向かなかったのかというのは考えさせられます。大正デモクラシー運動の旗手たる吉野作造・美濃部達吉が性の問題に関しては極めて保守的な考えを持っていた事、自由民権運動の論理的指導者ともいえる中江兆民が公娼制復活派に担ぎ上げられていた事は意外であり印象的でした。1952年の売春防止法は、運動の結実ではなく、あくまで一つのピリオドに過ぎないのだと思います。2015/08/02
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