感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ほよじー
11
★★自然景とは異なる、電車の車窓からの眺めや、町はずれの生活景の眺め。道、橋、港、川、建築、公園、住宅地、盛り場といった人々の常住景をどう整えるか。これは施設建築から街づくりにも関係する。2017/11/23
あんころもち
7
風景についての考え方が一変する名著である。視覚や土木技術に始まり、名所絵、平安文学まで、幅広い分野における人と風景との関わりについて考えられる。特に古典を通じた、「境」、「空」、「用」といった日本語における風景観の分析は秀逸である。「遠くに富士山が見える通り」「田園風景」「子どもたちが群れ遊ぶ川辺」。そういった素朴な風景へ素朴な情感を考え直す一冊である。2014/12/31
gu
6
「深い」「趣」「器量が感じられる」「品位につながる」といった主観的で情緒的な表現の頻出が気になってしまうが、論旨自体は真っ当で参考になるところが多かった。2025/10/13
perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇵🇸🇾🇪🇱🇧🇨🇺
5
1982年刊。著者の専攻は景観光学、地域計画学。工学博士。 序章:風景を考える ワーズワースの故郷、イングランドの湖水地方を訪れた際の記述。ワーズワースが鉄道のウインダミア支線敷設に反対し、ソネットで抗議したという。 そこから近代風景論の始まりと、自然景と生活景の比較、更にそれへの論。近代の都市化と自然破壊が進行する中で、ここではラスキンとモリスを挙げている。 一方で日本の生活景の貧困を指摘。日本での風景論の人物として南方熊楠と柳宗悦を挙げている。本書では古典が多々引用されている。→2026/04/24
ヒナコ
5
今見ている風景を美しいと感じたり、あるいは醜いと感じたりするのはなぜか? 常日頃の散歩において、私自身が感じている問いを知るために読んでみた新書。 著者によると、人間はロマン思想や文学の風景描写などの先行する文脈を、その風景に投影して味わっており、文脈と独立した風景の美しさは存在しないということだった。また、人間は風景を擬人化して味わる傾向があり、山や川に対するアニミズム的擬人化という人間の認識の特質は、自分の見ている風景の味わいの少なくいない部分を占めているとのことだった。 →2022/04/22
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