感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mahiro
21
瀬田貞二さんの講話集。小さい子向けの作品は『行って帰る』という形が多く馴染みやすいと言うところから、童唄、なぞなぞ、マザーグース、幼年物語の展開など作品の例を挙げて語っている。昔読んだり子供に読み聞かせたりした作品が次々と出て来て懐かしく、未読の作品は是非読んでみたくなる。例として本書で訳されていた短編「ねこのお客」はいいなあ…日本の作品には少し厳しい見方をされている気がした。ポターのうさぎ物語とアリソン・アトリーのうさぎ物語の比較が面白かった。2022/01/20
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
20
瀬田貞二さんの講和録。児童図書館員向けの講和なので、やや難しさ(これくらい知ってるでしょ的な)があったりしましたが、絵本や児童書で例えてくださっているので読むのが楽しかった。没後にまとめられたものなので、ご存命なら続きを知ることができたのに、と残念です。2021/11/10
マッキー
19
講義録のようなものなので話し言葉で述べられていて読みやすい。童話の形式や童謡、昔のなぞなぞなどに触れられていて、また有名な児童文学作品のあらすじや話の「型」も詳しく紹介されている。息抜きに読めて楽しかった。2017/03/31
鳩羽
17
行きて帰りし物語の構造や、なぞなぞ、わらべ歌などのはじめに耳にして覚えていく言葉への興味など、発達の過程を踏まえて、子どもが文学をどう吸収していくかの本。幼いひとを尊重するということがどういうことか、考えさせられる。知的な好奇心を満足させても、子ども自身の心身は安全に守ることであったり、満足や納得、道理や秩序をセンチメンタリズムに流されずきちんと示してくれる筋であったり。2018/11/24
花乃雪音
15
『指輪物語』『ホビットの冒険』『ナルニア国ものがたり』などを翻訳された筆者が児童図書館講座で児童図書館員に話したものをまとめた一冊。病を患い亡くなったため予定していた全てを語っているわけではないが1回の講座で1つのテーマが完結しているため中途半端な印象は受けなかった。筆者が翻訳した上記の作品についてはあまり触れていなかった。講座が続けばこれらの作品にも言及していたかもしれない、できればそちらを読ませて頂きたかった。2020/10/11