感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Galilei
10
征韓論(らしき説)から西南戦争へ至る本質は、権力抗争の末の粛清。最年長の岩倉は、駆け出しの伊藤や山県など武闘派を操って、西郷や江藤らを粛清。△ ソ連のスターリンがトロツキー、毛沢東は林彪を粛清したのと同じように、伊藤、山県、岩倉、大久保らは、著しく権力欲の虜だったろう。△ このころ体調がすぐれない木戸は、彼らの本質を見抜いていたのだろう、嫌気がさしたのかもしれない。△ 「悪貨は良貨を駆逐する」、この時から、下層階級による泥にまみれた末の革命であった維新は、私物化されていくのだった。2020/08/27
ぴー
7
西郷=征韓論、大久保=内地優先で争ったのがきっかけに明治6年政変が起こったというのが通説だと思っていた。しかし、毛利氏は、違う見方で政変を説明していたので自分としては新鮮味があった。なお、現在は毛利氏の説はどう評価されているのかが気になる。2022/12/19
しんさん
5
岩倉使節団の失敗による首脳陣の分断、留守政府での江藤らの台頭と三条の優柔不断、長州閥の一連の不祥事、西郷を犠牲にしてでも主導権を取り戻したい大久保。様々な要素が積み重なって噴出したのが征韓論問題、明治六年政変(参議の大量辞任)で、西郷はもともと韓国と戦争する気はなかった、という説。非常に読み応えがあった。50年前の本なので、最新の説はどうなんだろう。渋沢栄一本の副読本として読了。2024/10/20
takao
5
西郷の征韓論の通説を疑う2024/05/02
tkm66
4
やっと読了。初版79年・18年現在12版。昔の新書ってこれくらい濃かったなあ、と。内容の面白さは当然ながら〈開いた頁が黒い〉程の活字の充実。なお大河ドラマ『西郷どん』は一切興味無し。2018/10/17
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- 和書
- 山の道、山の花