感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぴー
18
初版が1974年なので、ちょうど50年前に出版された本。満州事変を含む前後の経緯を時系列に書き出している。他の本の参考文献に、本書がよく使われているため読んでみた。個人的には、筆者の考えとかがもう少しあれば、さらに充実した内容になっていたと思った。2024/09/05
nobody
14
満州事変のもつ意義、与えた影響、あるいは蒋介石や張学良の底意といった「森」を求めて読んでいるのに、与えられるのは連盟理事会の推移や街路名入りの市街戦といった必要以上に細々しくまた得心のいかない「木」の羅列なのだから得心いかないのも当然。かといって事実の羅列が正確無比かというと突然上海事変に第十八旅団が出てきたりする始末。終いには微細な事実ですら書くことがなくなり別件の上海事変を、それも思わせぶりに章題に示さずくだくだしく書く。立花隆いうところの読めば読むほど頭の悪くなる本とは本書のような本をいうのだろう。2019/10/11
nobody
10
↓下コメへの返信∶コメできぬようにして逃げ出したのでこちらへ。このような輩はいきなり他人に事実をでっち上げて訳の判らぬ言いがかりをつけても絶対に謝らぬ。これほどまで常軌を逸した者はあり得ぬからこれまで私は楽しく読書メーターを利用してきた。それが突然汚され踏み躙られるという被害を一方的に被ることになった。それで謝罪は一切なし。理不尽極まりない。ここはあなたにふさわしくない。その薄汚さを発揮したければ5ちゃんへでもいってくれ。こうした輩が絶対に直視できぬこと。これほど他人に迷惑をかけて本当に恥ずかしくないか?2021/08/16
省事
5
基本的には史料をベースに列挙型のクラシカルな歴史本であり、序論もなく始まる本文をいきなり読むと面食らうところもあるが丁寧に歴史的経過を追っている。淡々とした歴史叙述がピンと来ないこともあるかもしれないが、満州事変・上海事変と連続する歴史のプロセスや国際関係がよく理解できる。 なお他のレビューの関係で指摘しておくが、(歩兵)第18旅団は第9師団に所属する部隊。「第9師団の諸隊は…」と始まり、「師団主力は…」と続いた後の文章であるので、「突然…出てきたりする始末」でもなんでもない。 2021/06/21
バルジ
3
満州事変について軍部・国際連盟・中国の三者の視点を折り込みつつ、交錯し相互に作用しながら展開した満州事変とその後に発生した上海事変を描く。本書で面白いのは張学良を始めとする軍閥の動向と国際連盟におけるアメリカの位相である。張学良配下の中小軍閥は張学良の軛を離れ日本に接近、満州国建国の1つの基盤となる。アメリカは幣原外相に期待しつつも政府に軍部を抑える政治力が無いと見ると武力による現状変更を否認する声明を出すに至る。大国に翻弄されつつ権威を守ろうとする国際連盟。どうも2022年にも見たような光景である。2023/04/30