中公新書<br> 弁証法 - 自由な思考のために

中公新書
弁証法 - 自由な思考のために

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  • サイズ 新書判/ページ数 190p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121003225
  • NDC分類 116
  • Cコード C1210

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かつどん

12
弁証法という言葉は最近知った。古代ギリシャから現在に至るまで色々な解釈で使われてきた。 今多く使われてる解釈を、最近読んだ又吉直樹著の火花を絡めて言ってみる。「お笑いとは?に対し、徳永aと神谷bの対立する意見を経て、新たな答cを生み、更に対立するdが生まれ…と進んでいく。それらはすべて正しい。なぜならお笑いの本質は多義的である。多義的なものの真理とは、既に決められたものでは無く、繰り返す対話により生産していくものであり、そうして全体像を明らかにしていく。」変化や運動ありき、一方的な拒絶では成り立たない。2016/08/27

あっきー

7
✴4 弁証法(対話)とは人間の魂を導いて真実在であるところの形相(イデア)に至らしめる学問だとプラトンの章にある、 あの小説の「顕れるイデア」ってどういうことかと思っていたのだが、自己を否定してくる不合理な運命という他者のような自己と対話し、イデアである騎士団長の声を聞き、周りの人たちと関わっていくことで新しい自分と和解していくっていう弁証法がテーマだったとは…、もちろんこの本は弁証法の分かりやすい入門書であり、学生の頃にこれを最初に読んどけばと思ったくらい自分の興味と合っていた本だった2017/08/12

ぼけみあん@ARIA6人娘さんが好き

5
学生時代に中途まで読んだ本の再読。弁証法の理念形と実際編とに分けて論じられている。前に読んだ時にも感じたのだけど、前半の弁証法の理念形の説明が非常に分かりやすく、今回は対話と弁証法の構造がほぼ同一であることを再認識した。ただ著者はヘーゲルの専門家なので、弁証法の理念形もこれに準じたものになるが、実際編で非ヘーゲル的な弁証法にもきちんと言及しているので特に問題はない。この手の本では、諸説並べて説明するのはよいが、「要するに●●とは何か」に必ずしも明確に答えていないものが多い中、なかなかの良書だと思う。2013/07/27

aki

4
この1年で読んだ本の中で、もっともスリリング。中埜肇の著作は初めて読んだが、頭脳明晰だね。某新書の弁証法関係の著作の鈍重さに比べると、月とスッポン。弁証法の多義的な意味を、ひとつは構造と機能の違いから、ひとつはソクラテスからキルケゴールまでたどる歴史的なアプローチから明らかにしている。分析→総合のプロセスで、その両者を弁証法と考えるプラトンと、総合のみを弁証法と考えるアリストテレス、カントらの違いが明確になり、すっきり。ドラッカーは、もちろん前者で、弁証法を分析・総合・管理・道具として体系化・実践化した。2011/06/10

つまみ食い

3
あまりにも多義的な弁証法という用語について、概念整理を行ったのち弁証法を軸に哲学史を綴っている。個人的には著者なりのさまざまな弁証法に共通する構造の整理を行なっている前半部が特に素晴らしく参考になった。哲学史的なパートは、本書以後の研究なども適宜参照しながら読むとより良さそう2021/08/07

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