感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とくけんちょ
47
軍事や経済の面、世界の潮流の中で、どう日本の舵取りを、その時代時代のリーダーたちが行ってきたのか。日本の歴史を学ぶというと主に日本目線のことが語られ、それが良くも悪くも時代に合っていたのかと自分の視点で検証しづらい。本書は、日本を主観的にも客観的にも検証している。本書のおかげで、悪い印象であったが、大きく印象の変わった人物もいる。世界の動き、その中で決めた方向性が正しかったと言えるのか、それを自分で考えてみるということが楽しみである。2022/09/16
しゃん
23
明治維新から1960年代までの日本の外交について、俯瞰的にその思想面に焦点を当てて解説されており、興味深く読むことができた。幣原外交の時代を除き、日本の外交の多くは現実主義的な対応をしてきたことが分かった。それが明治初期の外交における成功の要因であったとともに、敗戦に至った要因のひとつであったように思われた。本書は1966年の出版によるものであるが、現在の国際情勢等を考えるにあたっても今なお有益である。2020/08/24
coolflat
15
条約改正から朝鮮戦争期までの日本外交を扱う。本書は教科書的な史実を追うスタイルをとっていない。本書は日本外交の思想的背景を調べることによって、日本の置かれた国際的地位を理解するというアプローチをとっている。日本政府や外交当局が、数ある選択肢の中で、なぜその選択をしたかという因果関係がよりよくわかる作りになっている。そのため、近代日本史と近代世界史の高校程度の理解がないと、理解が難しい。個人的には、1920年代のワシントン体制期(幣原外交)や、30年代後半の国際連盟連盟脱退以降(広田外交)に理解が深まった。2016/08/27
ぴー
12
今から50年以上前の本。様々な書籍の参考文献にもなっているので読んでみた。ページ数も少なく、文章も個人的には分かりやすいため、テンポよく読めた。 明治初期〜戦後(60年代)の大まかな外交を知るには、良い本だと思いました。2023/09/02
ヤギ郎
12
教科書的な叙述方法で外交史を語るのではなく、教科書に載っているような基本的な歴史(主に日本史)事実から外交を分析すり一冊。外交政策における基本的な要素や外交という複雑で不可測な存在を認識することに主眼を置いている。交渉事における主観的な認識だけでなく客観的な認識も必要といっているようだ。外交官になりたい人、外交に携わりたい人におすすめ。外交政策を分析した本ではないので、最新の外交事情に触れていない(本も古いし・・・)。2017/08/02