感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨッシー
2
世界史が好き、という理由だけで読めというよりは、やっぱりヨーロッパ中世史をマニアックに「秘蹟論争」という点から理解したい人向け、でしょうか。副題に「ヨーロッパ精神」の底流とありますが、確かにキリスト教を中心に世界がまわっていたのだなぁと思います(そりゃそーだ)。筆者は、要はインノケンティウス3世がいかに半端ないかを言いたいだけなわけですが、そこに至るまでを的確に話題を絞りながら論理展開に無理なく4世紀から語ってくれており、文章が上手いなぁと感じさせられました。理解しながら読み進めるのは大変でしたけどね。2010/08/29
おとや
1
インノケンティウス3世と聖フランシスコの会見から紐解き、中世教会とワルド派や謙遜者等の「異端」との関係を秘蹟論争という観点を中心に解いた著。ドナティスト論争およびその再版的側面を持つグレゴリウス改革などを通し、なぜ12世紀にカタリ派やワルド派のような集団が発生したのか、そしてインノケンティウスの改革にどのような意味があったのか。割と専門的な内容を非常に分かりやすく解いており、古い本ではあるものの、今でもその価値は減じていない。2014/03/01
aki
1
正統と異端というテーマではあるが、主に12世紀にローマ教会内で行われた「秘蹟論争」に焦点をあてている。かなり、特殊なテーマなので、一般向けとはいいがたい。なにしろ、著者が「わが国の読者にとってまことになじみの薄い論議」といっているぐらいだ。問題になったのは異端の徒・聖職売買者によってなされた秘蹟、つまり洗礼や叙品は有効かどうかということだ。秘蹟をめぐる混乱は急進化と異端化を促進し、ローマ教会は正統と異端を厳しく弁別、ワルド派は異端とされ、フランシスコ会は教会に取り込まれた。2010/02/04
takao
0
キリスト教における正統と異端、社会主義における正統と異端2016/09/02
ニキ【書籍】
0
なんだかエラい感銘を受けた。もっと早くに読んでいたら中世やっていたかもしれない2013/04/30