感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てり
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中公新書初期の一冊。オリンピアの遺跡、神事や供儀、競技内容、その衰退など。開催時の休戦”エケケイリア”の実際やエリスとピサの主導権争いも興味深い。本書は1964年東京オリンピック前の出版で、プロとアマの違いについての言及が色々あるのも時代の流れを感じる。2023/02/10
ホンドテン
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図書館で、先の東京五輪前の63年の初版が出てきた!紀元前8世紀以降のギリシャ、オリンピア祭典を平易に(というか軽い文章で)解説。起源明確ならず、神話世界からだが本邦と比れば記録あるだけ驚異。エケケイリアの発令など開催にあたりエリスvsピサの都市間の主導権争い描写は近代の建前には皮肉である。争いに後にマケドニア、ローマが介入し祭典は堕落する。多数の牛の供犠(=BBQ提供)や未精製オリーブ油塗油の習慣やら全裸以上にドン引きな文化実態も析出。印象深いのは執筆当時の遺跡の描写、19世紀来のドイツの発掘に脱帽。2021/04/30