金波銀波

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  • サイズ A5判/ページ数 336p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120060236
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

時は貞観九年(867)。海神の生贄となる定めの少女・由良はある日、海賊に襲われた商人船から巨大な櫃が海に投げ出されるのを目撃する。船長の赤名が拾い上げると、縛られた謎の男が入っており……。新羅と内々に交易を行い財を成す商人、京での争いに敗れ大宰府に赴任する不遇の官人、銭と欲の坩堝の海で逞しく生きる海賊、そして――。複雑なしがらみによって生じた危険な渦に、いつしか由良は巻き込まれていく。

金銀財宝が集まってきた博多の海、そして西国の島々を舞台に直木賞作家が描く、壮大でスリリングな歴史長篇!


【目次】

内容説明

時は貞観八年(866)。海神の生贅となる定めの少女・由良はある日、海賊に襲われた商人船から巨大な櫃が海に投げ出されるのを目撃する。船長の赤名が拾い上げると、縛られた謎の男が入っており…。新羅と内々に交易を行い財を成す商人、京での争いに敗れ大宰府に赴任する不遇の官人、銭と欲の坩堝の海で逞しく生きる海賊、そして―。複雑なしがらみによって生じた危険な渦に、いつしか由良は巻き込まれていく。金銀財宝が集まってきた博多の海、そして西国の島々を舞台に直木賞作家が描く、壮大でスリリングな歴史長篇!

著者等紹介

澤田瞳子[サワダトウコ]
1977年京都府生まれ。同志社大学文学部文化史学専攻卒業、同大学院博士課程前期修了。2010年『孤鷹の天』で小説家デビュー。同作品で中山義秀文学賞を受賞。13年『満つる月の如し 仏師・定朝』で本屋が選ぶ時代小説大賞ならびに新田次郎文学賞、16年『若冲』で親鸞賞、20年『駆け入りの寺』で舟橋聖一文学賞、21年『星落ちて、なお』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

151
海神に捧げる生贄として売買される少女など、物語のヒロインとして末端といえる。そんな歴史の片隅に消えていくはずだった娘由良が、大宰府の官人に買われたのを契機に日本と新羅を股にかけた権力闘争に巻き込まれるプロセスに引き込まれる。強者が弱者を踏みにじる時代にあって、殺しや拉致や裏切りや陰謀など大人の欲望と思惑が交錯するただ中に翻弄される由良だが、ひたすら海を愛する少女の純真さが誰にも予想できない政治的変化をもたらす。命を使い捨てて顧みない人の醜い諍いを、大きく深い海が由良を通して鎮める運命劇が展開されるようだ。2026/06/17

hiace9000

124
金波銀波の打ち続く孤独なる大海を雄々しく翔る海賊「島嶼の輩」高島の宗継。海神の生贄とする者を積み、その売買を生業とする巫女舟の船長・赤名。主人公由良はその生贄となる定めの少女。不条理でままならぬ世の道理を歴史を通し世に問う澤田筆、勇躍の筆致で綴る今作は、西の海を舞台にした平安冒険活劇。由良の強烈な海への渇望感は、自身の信念を貫き生きる意味、また貫ける対象を求めんとする人間の「生」への渇望と躍動そのもの。謎の男の存在に端を発する商人、海賊、官人の欲望・忠義・裏切りが交錯する展開は痛快にして実に深みがある。2026/06/04

がらくたどん

68
平安初期の九州五島列島の波間に漂う船倉で海難封じの生贄として売買される巫子の少女由良。贄となった後の命運はただ「海」だけが決める事。しかし海から陸へと売られ召された数奇な日々は、少女に暴力と打算と情愛と矜持が幾重にも撚り合わさった「陸」の世界の複雑な理不尽や諍いを見せつける。出会った縁の心地よさ。大地を踏む安心感。それでも少女は圧倒的に単純化された「海」の理不尽を恋い慕わずにいられない。藤原氏が台頭した貞観期を映す歴史小説要素はあるが少女の成長と未来に大胆に舵を切った痛快冒険小説。さあ「まっすぐに行け」!2026/05/21

shikashika555

30
著者の海を舞台にした話は初めてではなかろうか。 初章では澤田瞳子らしからぬちょっと乱暴な描写にも戸惑いつつページを捲る。 主人公少女の造形には新鮮な驚き。この環境でこんな心映えの子がいるのか。しかし嫌悪感や鼻白む感じはしない。 逆境においても人間は案外図太くまっすぐに伸びるケースもあるし、被害感情を持てるほどの余裕がなければ所与の環境下で自分なりに成長するしかないものだ。 海とは縁遠い生活なのでピンとこないまま読み進めたが物語としては面白かった。 陸の世界と海の世界、それぞれの道理と厳しさがあるのか。2026/07/05

Kei.ma

30
海神になり損ねた少女由良。巫女となって海難を鎮めるため生贄される定めであったが。物語は平安の世にあって、西海で跋扈する者たちを描く。新羅との交易船を襲う海賊の頭高島の宗継と付き従う年麻呂、太宰府政庁の官人、西国九国二島随一の大湊那の津を支配する強欲な商人。それだけではない、遠く都の政争の影響や隠岐島での悪政まで話が及ぶのだから、面白くないはずはない。激し過ぎたせいか語りが途切れ途切れであったが、これも楽しからずや。対照的に何が起きようとも値嘉の浦は、太陽や月の光を静かに映しているだけだった。2026/06/26

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