出版社内容情報
小さな町の十字路に灯りをともす名なしの食堂。そこへ集う人々の何気ない会話から物語がはじまる。
ロングセラー「月舟町の物語」シリーズ第1作、最新版。
【目次】
内容説明
それは、笑いのこぼれる夜。十字路の角にぽつりとひとつ灯をともす、名無しの食堂。初めて訪れても懐かしいこの場所から、物語がはじまる。月舟町の物語。多くの読者に愛されてきたロングセラー小説を全面改稿した決定版。ひさしぶりに屋根裏部屋にこもり、自分が書いたひと文字ひと文字を虫眼鏡をあて、物語がこわれないよう、細心の注意を払って加筆と修正をおこないました。著者による詳細な作品解説を新規収録!
著者等紹介
吉田篤弘[ヨシダアツヒロ]
1962年東京生まれ。小説を執筆するかたわら、「クラフト・エヴィング商會」名義による著作と装幀の仕事を手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆきち
60
25年ぶりに全面改稿し、決定版として出版された本書。物語がこわれないように、細心の注意を払って加筆と修正を行った本書は全てが素敵である。初めて訪れた人も、久しぶりの人も、月舟町のつむじ風食堂が懐かしく思えるそんな一冊だ。わたしは、シリーズの『それからはスープのことばかり考えて暮らした』から月舟町の住人になったのだか、つむじ風食堂の人たちにやはり懐かしさを感じた。読んでいると、自律神経が整う感じ。ゆっくりと進むのでゆっくりと文字を追うからだろう。月舟町の住人のようにのんびりと過ごしたいときにぴったりの一冊。2026/04/10
吉田あや
56
十字路の角にぽつりと灯りをともす「つむじ風食堂」。本当のところ店名はないが、十字路のつむじ風に巻き込まれた客が口々にそう呼ぶようになり、人と人をつなぐ小さな交差点となっている。手品師の息子として生まれ、現在は人工降雨の研究をしている雨降りの先生こと「わたし」は、亡くなった父の形見である袖口だけの衣装を月舟アパートの壁に留めてぶら下げている。父の手品は客席と幕を隔てて行われた。幕にはふたつの小さな穴があり、袖口と手だけがそこからぽっかりと浮かんでいる舞台をお客さんは見つめていた。2026/03/31
里愛乍
32
初めて文庫本を読んだ時を思い出す。それくらい印象深い一行めだった。ところどころ文章は変更されてるようだけど、独特の世界観は変わらない。ありがたい、そうでなければ、この温もりと居心地の良さがなければ「つむじ風食堂」では無いのだから。ここだけ時が止まったように独自の時間が流れていた。月舟町のシリーズ刊行はまだ続く予定だそう。この空間のリニューアル、まだ楽しむことが出来そうです。2026/04/02
あんこ
27
旧版と合わせたら何度読んだか分からないほどの再読。月舟町シリーズは、私が吉田篤弘作品&クラフト・エヴィング商會に出会った15、16年前に夢中になって読んでいたので、あの頃と住んでいる場所も歳も立場も違う今、まだあの町にいるささやかな彼らの暮らしを読めることが感慨深い。食堂の暖簾をくぐって、「ああ、まだみんなここにいる」と思うと、夢のような安心感が得られた。読んでいる間、初めて読んだあの頃(まだ浮かれていた大学時代)の空気を思い出して、タイムスリップしたかと思った。2026/03/29
M
2
以前図書館で借りて読んだことがあるんですけど、単行本が出ていて買ってしまったので再読。吉田篤弘さんの本て、静かでゆったりしていて優しくて穏やかで、夜寝る前に読む本として最適な気がします。あとがきもとても素敵でした。吉田さんのお人柄なんだろうなと思います。2026/04/22




