出版社内容情報
老境の弁護士、詩人、すれ違い始めた男女が、それでもなお「今ここに在ること」の素晴らしさを歌いあげる。光に満ちた八篇を著者への深い敬愛を込めて編者が選ぶ。生誕100年記念。
「人間の生きる姿」と「地上に存在するよろこび」を訴えていた辻邦生の仕事は、どこか孤立しているようにさえ感じられた。逆に言えば、彼の強さはまさにそのような孤立をものともせず、いついかなるときも、コリン・ウィルソンの言う「〈すべては素晴らしい〉という唐突な感情」のわきでる泉に向かって、探索者のように進んでいく膂力を有していたところにあるだろう。
堀江敏幸「噴水の水滴になること――『竪琴を忘れた場所』解説にかえて」より
【目次】
内容説明
「今ここに在る」歓びの光に満ちた八篇。
著者等紹介
辻邦生[ツジクニオ]
1925(大正14)年、東京生まれ。東京大学仏文科卒業。63年「廻廊にて」で第4回近代文学賞、68年『安土往還記』で芸術選奨新人賞、72年『背教者ユリアヌス』で第14回毎日芸術賞、95年『西行花伝』で第31回谷崎潤一郎賞受賞。99(平成11)年没
堀江敏幸[ホリエトシユキ]
1964(昭和39)年、岐阜県生まれ。99年『おぱらばん』で第12回三島由紀夫賞、2001年「熊の敷石」で第124回芥川賞、04年『雪沼とその周辺』で第40回谷崎潤一郎賞、06年『河岸忘日抄』で第57回読売文学賞、16年『その姿の消し方』で第69回野間文芸賞など受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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