出版社内容情報
名手によるあの快作が復刊!
今こそ読みたい【泣いて笑ってお江戸体感小説】
神田で小間物屋を営むお葛(かつ)は、
お気楽亭主とわんぱく盛りの子らと、季節に添った長屋暮らし。
珍妙な若返り薬を売り出したり、
ひとの恋路に首を突っ込んだりのある日、
頼みの綱の奉公人・清さんに移籍話が持ち上がり……!?
\乗り越えるんじゃない、やり過ごすんだよ/
【目次】
内容説明
神田で小間物屋を営むお葛は、お気楽亭主とわんぱく盛りの子らと、季節に添った長屋暮らし。珍妙な若返り薬を売り出したり、ひとの恋路に首を突っ込んだりのある日、頼みの綱の奉公人・清さんに移籍話が持ち上がり…!?泣いて笑ってお江戸体感小説。
著者等紹介
木内昇[キウチノボリ]
1967年、東京都生まれ。2004年『新選組 幕末の青嵐』で小説家デビュー。08年に刊行した『茗荷谷の猫』が話題となり、早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞を受賞。11年に『漂砂のうたう』で直木賞を、14年に『櫛挽道守』で中央公論文芸賞、柴田錬三郎賞、親鸞賞の三賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たま
84
単行本2008年、2011年中公文庫の本がこの度(2025年8月)新装の単行本となった。どういうこと?と読んでみたら、神田の小間物屋の女房お葛さんの日記で江戸の1年の風物がたっぷり、家族や長屋の隣人たちとの往来もたっぷりで楽しかった。旦那と息子は手の施しようのない男子、旦那が仕入れた化粧品【小豆の又八】には笑った。お葛さんは京伝や馬琴の貸本を読んでいて『べらぼう』にあやかっての再出版だが、江戸の人々の暮らしが手に取るように感じられ、四六判下方に風俗についての註も付いていて親切で良かった。2025/10/07
Ikutan
61
面白かった〜。神田辺で小間物屋を営む者の女房『お葛』が記した日記。商才の無い亭主と二人の子供、仕事の出来る使用人と暮らす。隣家の夫婦やそのひとり娘、裏店の住人、親しい大店の女房や大家とその妻などとのやり取りから伝わってくる江戸庶民の暮らし。江戸っ子らしく、火消しの男衆に心躍らせ、周りの恋愛にヤキモキ。お節介をやく。亭主を貶す毒舌は留まらず、何度もクスリと笑ったよ。甘い物が好きで、おしゃれに関心があるのは、今と同じですね。医者は誰でもなれるとか鮪より鰯とか。現在との違いにはへぇ~。気軽に読めるのでおすすめ。2025/10/09
まる
34
2008年に出版された小説の復刊版。べらぼうの影響なのかな。神田の小間物屋のお葛さんの一年間の日記が一冊の小説に。 仕事に身が入らない亭主のせいでいつも家計を気にしながらも、四季折々の風物に身を委ね、美味しいものを食べ、人の恋路に首を突っ込み、大らかに生きている姿がとても微笑ましい。 聞きなれない江戸の風俗も注釈がついていて、それも良き。楽しかった。2025/10/20
まそお
1
面白かった。思わず笑ってしまうエピソードが多くて、人前で読んでてちょい恥ずかしかった。ちょうど大河を見てるので山東京伝とか滝沢馬琴とかの作品が出てきてにっこりするなどもした。2025/11/20
kaorin
1
江戸時代、神田で夫婦で小さな小間物問屋を営むお葛の一年間の日記。甘味とお喋りが大好き。怠け者でけんかっ早い亭主と二人の子供がいる。住み込みの清さんや、ご近所さんは家族のようなお付き合い。季節ごとの行事、寄席やお祭り、火消しの男や行商の商人なども出てきて、江戸の庶民の暮らしが生き生きと描かれていて、とても興味深く面白く読んだ。甘味処にも行きたい、寄席にも行きたい、けれどお金がすかんぴん。と言いながらもなんとかやりくりをしながら家族を守り自分も楽しむお葛の明るさと逞しさがよかった。2025/10/29




