出版社内容情報
かくも緻密に立案された米国による開戦から占領までの対日政策、そのすべてが鮮やかに甦る。
稀代の大衆政治家ローズベルトに周到な戦略家である国務長官ハル、豪腕の陸軍長官スティムソン、知日派の国務次官グルーといった多士済々な面々は、どのように政策形成に関わったのか。必ずしも一枚岩ではなかった米政権内の意見対立の様相までも描き出す。
占領史研究の必読本として高く評価された著者の代表作が40年ぶりに堂々の復刊。
[目次]
第一部 新世界を求めて――戦後計画の起源
第一章 歴史の教訓
一 たち上る国務省
二 外交関係協議会
三 《調査》――国務省の苦い経験
第二章 戦後計画のための政府内環境
一 ローズベルトとハル――その協調と抗争
二 新世界のための闘争
第二部 「上から」の方針――ローズベルト構想
第三章 無条件降伏論
一 無条件降伏論の起源
二 軍隊の無条件降伏 三 国家の無条件降伏
四 無条件降伏をもたらしたもの
第四章 ローズベルトの東アジア構想
一 中国を大国とする構想
二 中国大国論の源泉
三 カイロ会談
第三部 「下から」の対日計画――国務省知日派
第五章 日本専門家の招集――国務省と外交関係協議会
一 特別調査部の極東班
二 ブレイクスリー博士と日米関係
三 ボートン博士と日本研究
四 外交関係協議会の極東研究グループ
第六章 対日戦後計画の原型
一 極東班における初期の作業
二 対日基本方針 三 戦後日本の領土
四 戦後日本の経済
五 戦後日本の政治――四つの日本変革論
A 軍部の暴走――介入慎重論
B 制度的欠陥――積極誘導論
C 天皇制・軍国主義不可分論――介入変革論
D 不可変の日本人――隔離・放置論
【目次】
内容説明
米国による日本占領政策の準備は、アジア・太平洋戦争開戦の2年も前、1939年から開始されていた。緻密かつ周到な議論のなかで、一体日本の未来の何が決定されていったのか。ローズベルト政権を支えたハル、スティムソン、グルーといった有力者たちの動向から、対日方針決定までに至る過程を膨大な史料をもとに甦らせる。1985年度サントリー学芸賞受賞作にして、著者畢生の代表作が戦後80年たったいま、新装版として堂々の復刊。
目次
第一部 新世界を求めて―戦後計画の起源(歴史の教訓;戦後計画のための政府内環境)
第二部 「上から」の方針―ローズベルト構想(無条件降伏論;ローズベルトの東アジア構想)
第三部 「下から」の対日計画―国務省知日派(日本専門家の招集―国務省と外交関係協議会;対日戦後計画の原型)
著者等紹介
五百旗頭真[イオキベマコト]
1943年、兵庫県生まれ。1967年、京都大学法学部卒業。1969年、同大学院法学研究科修士課程政治学専攻修了。博士(法学)。広島大学助手・助教授を経て、神戸大学法学部教授に。以降、日本政治学会理事長、防衛大学校長、ひょうご震災記念21世紀研究機構理事長、熊本県立大学理事長などを歴任。2011年、文化功労者。2024年、逝去。主な著書に、『日米戦争と戦後日本』(講談社学術文庫、吉田茂賞)、『占領期―首相たちの新日本』(講談社学術文庫、吉野作造賞)、『戦後日本外交史』(有斐閣、吉田茂賞)ほか、多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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