出版社内容情報
「私を認めてくれるのは、私が女だからなんじゃないの」
「すべての人間関係がロールプレイングゲームになる」
ジェンダーへの違和感、野蛮な家族、仕事のつまづき、美醜の悩み……
でこぼこな現代を生きぬくふたりの不器用人間が、価値観のズレも問いも徹底的に議論する!
自我が怪物並みの歌人・上坂vs.AIのような兼業文筆家・ひらりさ、
極端なふたりの失敗と諦めに、気づけば励まされる火の玉往復書簡。
内容説明
「交換ノートって、戦いだったっけ?」労働と人間性、恋と欲、友達と他人、魂と容姿…互いへの違和感は、未知の自分を知るヒント。もがき続ける人を祝福する火の玉往復書簡。
目次
友達と他人
労働と人間性
理想と現実
怪物とAI
金と無駄
恋と欲
生と死
魂と容姿
好きと嫌い
著者等紹介
上坂あゆ美[ウエサカアユミ]
1991年、静岡県生まれ。歌人・文筆家。Podcast番組『私より先に丁寧に暮らすな』パーソナリティ。2022年に出版した第1歌集『老人ホームで死ぬほどモテたい』が話題に
ひらりさ[ヒラリサ]
平成元年、東京生まれ。女子校とBLで育った文筆家。オタク女子ユニット「劇団雌猫」メンバー。女オタク文化からフェミニズムまで、女の生き方にまつわる発信を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タカナとダイアローグ
12
物騒なタイトルだけど、魂の交流(帯によると、火の玉往復書簡) ポケモン自己診断によるとカイリキーの上坂さんと、メタモン(本当に自己診断)のひらりささんによる、「本文に短歌をいれる」以外は縛りのない手紙のやりとり。 コントロールしているのかわからないけど、共感も違和感も、互いの嫌なところも怖いところもズバズバと決まっている。 ウイルスに例えるやりとりも新鮮で、星野源のPOP Virusならぬ、短歌 Virusだと思った。 思考が増殖していく。宿主を交互に変えながら。この対話は良い世界に向かうために必要。2025/05/09
ナオミ
1
いや、上坂の言うことはよくわかるよ?でもさあ!と思いつつ見守るように読み切った。お互い、相手にどんなに斬り込まれても、季節の挨拶やこないだはありがとねー的な世間話から始まるの超こわい。たしかに友達じゃないかもしれない。ちょいちょい「私たちは友達?」ていう確認があるのに明快に回答されないのは野暮な問いだと言いたいからなのか。理解や共感し難いこともいったん情報として受け取っていちいちムカついたりヘコんだりしないようになりたい。ひらりさも剥き出しでよかった。カッコつけた往復書簡なんて目も当てられないからな。2025/05/14
ikn
0
63分 モンスター任侠VSサイボーグ粘液人間とメモに書いてあった。何これえ…? と思うと同時にまあでもそんな感じだったな…という気もする。 歌もだが「ファンデーションの匂いがしそうな歌ばかり歌っている。」という一文が非常に良かった。2025/05/28
Rick‘s cafe
0
良い会話ってなんだろう。火の玉ストレートで本音をぶつけることは、そう簡単にできることではない。容易に相手を傷つけ得るからだ。ただ本音を伝え合うだけでは良い会話たり得ない。並々ならぬ信頼と敬意の上に立ち、恐る恐る逡巡しながら火の玉を投げ合う。その果てに、自分ひとりでは到達することのできなかった、自身の輪郭を得る。それが良い会話の本質ではないかと見つけた気がする。上坂さんの感覚や思想は共感する部分が多い一方で、ひらりささんの感覚は驚くほど分からない。だが言葉を尽くしてくれるおかげでその一端には触れた気がする。2025/05/25
onisam
0
運良く出来のいい女の子が入る中高一貫校に入ってしまったばっかりに、何の取り柄もないくせにプライドだけが高い自分に絶望していた16歳の頃、Twitterで劇団雌猫という人たちが作る同人誌を見つけて、私はこれになりたいんだと思った。この人たちのようなアラサーになるまでは生きてみようと思った。そのようにして生き延びたので、人気投票があったらひらりささんに票を入れてしまいます。こんなヒリヒリするくらい自分について考えることもなくなったなあと悲しくなりもした。2025/05/20
-
- 和書
- 地域協働のマネジメント