出版社内容情報
私たちの声はよく似ているのでどれも混ざる、来年も私たちは五人でいるだろう――。
母の再婚で「姉」になったハルア、
恋愛に打ち込みたいスポーツ少女ナノパ、
鼻の低さがコンプレックスのダユカ、
「空気の読めなさ」を自覚するシイシイ、
家計のためバイトに明け暮れるウガトワ。
高校二年生の仲良し五人組。
同じ時を過ごしていても、
見据える景色が同じとは限らない。
芥川賞作家が描く、澄みわたる青春群像劇!
内容説明
私たち、ばらばらだから、一緒にいる。高校二年生、大人と子供の境界に立つ少女たちが見る世界は―。芥川賞作家が描く、澄み渡る青春群像劇。
著者等紹介
井戸川射子[イドガワイコ]
1987年、兵庫県生まれ。作家、詩人。2018年、第一詩集『する、されるユートピア』を私家版にて発行。19年、同詩集にて第24回中原中也賞、21年、小説集『ここはとても速い川』で第43回野間文芸新人賞、22年『この世の喜びよ』で第168回芥川龍之介賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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starbro
136
井戸川 射子、3作目です。本書は、JK5人青春群像劇、「曇りなく常に良く」という状態は、当然ありません。 https://www.chuko.co.jp/tanko/2025/03/005899.html2025/04/13
えんちゃん
60
仲良し女子高校生5人の青春群像劇。母の再婚で弟妹の子守りをすることになったハルア、先輩を好きなフリするソフトボール大好きのナノパ、姉が美人で顔にコンプレックスのあるダユカ、空気を読めない自分に気付いているシイシイ、家計のためにバイトするウガトワ。彼女たちのぽんぽん飛び出す会話は一見自分勝手のようでいて実は優しさと思いやりに満ちた五重奏。井戸川さんは若干読みづらいけれど、かつての自分にも思い当たる心情があり、ノスタルジックな気持ちになれるところが好みなのです。2025/06/12
えみ
46
高校生が今をリアルに生きること。自分の気持ちに素直になり過ぎない、相手の気持ちに入り過ぎない、家族に依存し過ぎない。「過ぎない」のが平和だ。5人の高校生の生活環境と個性をそれぞれの視点から語らせる、青春群像劇。高校生たちの感性が築き上げた人間関係は独特の色をもってそこに存在している。5人が抱く自分と自分以外への感情が、頁を読み進めるほど興味深くなっていき、観察に飽きない。言葉は軽くても心理としてはとても重かったり、考えているようで実は誰かの何かに流されていたリ…。本人さえ気付いていない「選択」が覗ける!2025/11/04
Tαkαo Sαito
25
同時発売の短編集「移動そのもの」よりも個人的にとても好き。何か特別なことが起こるわけじゃないけれど、女子高生仲良し数名の日常青春小説。私が男子校出身なのもあり、フィクションと分かっていても、現実にも普通にありそうな世界線を擬似体験できるのも、読書の良さだなと再認識。「移動そのもの」よりも文体が軽く、一人当たりの話が短くテンポが良かったので読んでいて心地良く、楽しかったです2025/06/23
信兵衛
19
率直に言ってしまえば、いわゆる<小説>らしくない。 でもありのままの高校生たちの姿。そんな彼女たちの日常が好ましく感じられます。2025/04/24
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