出版社内容情報
日に日に高度化する生成AIが作り出す情報に、あなたの心がハッキングされる!
報酬稼ぎのXの偽動画、組織的に展開されるスパモフラージュ、架空の口コミ――ネット空間に溢れるディープフェイクに騙されるな!
『読売新聞』の大型連載「情報偏食 ゆがむ認知」に大幅加筆の上、書籍化。
内容説明
あなたの心がハッキングされる。大災害や選挙の偽動画、組織的に展開されるスパモフラージュ、架空の口コミ―ネット空間に溢れるディープフェイクに騙されるな!
目次
第1章 身近に潜むリスク(「激やせ」検索 壊れた心身 理想は虚像;はびこる「案件」 「いいね=正しい」脳のくせ ほか)
第2章 揺れる教育現場(都市伝説妄信し、検索6時間 「リアルな本音」;「ネットの情報に間違いがあるなんて思わなかった」 ほか)
第3章 混沌もたらす者たち(炎上動画を投稿 「人を傷つける生活はもういやだ」;迷惑系から社会の敵に “この女が動画撮ってたんだよ”“共犯、こいつ” ほか)
第4章 操られる民意(SNSで呼応し、追悼行事を妨害;政治家を憎んで偽動画を投稿 ほか)
第5章 求められる規範(姿を現した男 途上国からの偽情報が量産 Xの仕様変更;ウィキペディアに「毒」を盛る 偽バイデンの動画、2ドルで完成 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
91
生成AIが進歩してきて、SNSではフェイクニュースやあおり、根拠のない報道がずいぶん増えてきた。デジタルネイティブの若者たちに取っては、ネットで飛び交う情報の真偽を疑わずに信じることも多く、最近の闇バイトなどもその一種 ではないか。自分の考えることや行動に同調するネット上の居場所で承認されることが生きがいのように思えるのか。昔から噂や都市伝説はあったが、現代ではあまりにも伝播するのが早い。それが毎日のように情報として入ってくるのだから私も若かったらおそらく同じことをしていたと感じた。図書館本2025/03/13
tamami
68
大新聞の記事をまとめたものだけに、現在の生成AIが抱える、情報過多、偽情報の氾濫、個人によっては情報が限定されるなどの課題について、具体的な事例を多く取り上げ、近い将来に予想される我が国のデジタル空間の危うさに警鐘を鳴らす。手始めに「アテンション・エコノミー」、「フィルターバブル」、「エコーチェンバー」などの用語と意味は押さえておきたい。生成AIで最も危惧しているのは、出典が明記されない生成AIの「知識」の源が、英語圏のそれに限定されてしまうのではないかということで、そこら辺をさらに掘り下げてほしかった。2025/08/31
_apojun_
7
図書館本。 タイトルからして胡散臭い気はしていたんだけど、一応大手の新聞社の名前があったので手に取ってみました。 タイトルに「生成AI」とはありますが、書かれていることはほとんどAIに関係なく、これまで散々言われてきたフィルターバブルとかエコーチェンバーとかの話。 もちろん生成AIによって、そういった状況により簡単に陥りやすくなったという面はあるけど、生成AIのずっと前から言われてること。 警鐘をならしているけど、この本にこういうタイトルをつけて出版すること自体がそもそも一役買ってんじゃないのかな。2025/06/26
ほぺむ
4
「フィルターバブル→エコーチェンバー」ここまではまだ仕方がない、形式が変わっただけで昔から似た状態はあったのではと思う。 「アテンションエコノミー→金儲け→偽情報」これはひどい。Xからの広告収益分配目当てに、能登の地震の時に東北の地震の動画を持ってきて閲覧数を稼いだというパキスタン人の話は衝撃だった。(確かに国外からのコメント増えてる) 「情報的健康」を目指して、バランスよく情報は摂取したい。今後情報操作や扇動があろうとも、偽情報を見抜ける乗っからない、そんな人に増えて欲しいし、自分もそうありたく思った。2025/06/21
やす
2
新聞社の本ということで、取材に基づいた記載が多い。生成AIというよりも、エコーチェンバーとかの話が多く、ネットの危険性といった感じ。特徴的な事例を取り上げており、危機を煽るにはよいが一歩引いて読む必要があるように思う。2025/07/14
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- PREPPY 2019年7月号