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出版社内容情報
何がわれわれを煽情するのか? 北海道から沖縄までの日本各地、さらにアメリカ、インド、ドイツ、フィリピンなど各国に足を運び、徹底取材。歴史や文化が武器となり、記念碑や博物館が戦場となる――SNS時代の「新しい愛国」の正体に気鋭が迫る!
内容説明
何がわれわれを煽情するのか?北海道から沖縄までの日本各地、さらにアメリカ、インド、ドイツ、フィリピンなど各国を徹底取材。歴史や文化が武器となり、記念碑や博物館が戦場となる。SNS時代の「新しい愛国」の正体に迫る!
目次
第一部 個人崇拝の最前線 偉大さを演出する(トランプの本拠地に潜入する;親日台湾の新たな「聖地」 ほか)
第二部 「われわれ」の系譜学 祖国を再発見する(わが故郷の靖国神社;消費される軍神たち ほか)
第三部 燃え上がる国境地帯―敵を名指しする(祖国は敵を求めた;「保守の島」の運転手たち ほか)
第四部 記念碑という戦場 永遠を希求する(もうひとつの「八紘一宇の塔」;東の靖国、西の護国塔 ほか)
第五部 熱狂と利害の狭間 自発的に国を愛する(戦時下の温泉報国をたどる;発泡スチロール製の神武天皇像 ほか)
著者等紹介
辻田真佐憲[ツジタマサノリ]
1984年、大阪府生まれ。評論家・近現代史研究者。慶應義塾大学文学部卒業。政治と文化芸術の関係を主なテーマに、著述、調査、評論、レビュー、インタビューなどを幅広く手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
41
配信プラットホーム「シラス」で人気チャンネルの著者が、コロナ自粛期間を利用して国威発揚スポットを訪れた探訪記。必要経費の主な出どころは配信の売上げから捻出していたと配信で語っていた。国威発揚というと右派左派で読者が勝手に切り分けてしまい、左右横断した視点は見つけ難い。近代とは「われわれ」、つまり人々の群れの台頭だ。ナショナリズムのモメントが無いと、近代化も達成されなかった。とはいえ「われわれ」の明確化は敵を設定することによって容易になるが、ナショナリズムを肯定し過ぎると他国との間に軋轢を生む弊害が生じる。2025/03/17
おかむら
24
国内外のナショナリズムな愛国珍スポット探訪記。台湾に建立された安倍晋三の銅像とかイタリアのムッソリーニの生家とか岡山県の神武天皇像(発泡スチロール製)とか、兵庫のおかきの播磨屋が作った三重塔とか、 興味はそそられるけどわざわざ行きたかない場所を 訪ねてくれてて有難い。また全然興味なかったすすけた石碑とか銅像とかやばそうな記念館の類も著者の豊富な歴史的知識のおかげででなんか面白い場所に思えてくるのが楽しい。中でもドイツのナチが愛した古城(ヒムラーの聖杯城)の展示方法は「へえ!」ってなりました。2025/03/20
どら猫さとっち
10
神社仏閣、記念碑や博物館には、愛国心や戦争の背景が込められているといわれている。そして、それらによって愛国心を掻き立てるという作用がある。現在の国威発揚、再プロパガンダの聖地を、著者が自ら訪れるというルポルタージュ。意外と知られていない名所揃いで、ある意味新鮮で読んでいたが、愛国的な事柄にはあまり入り込めない自分には、抵抗感もあった。2024/12/31
ののまる
8
国威発揚の碑などいろいろ。海外ではコロンブスの像などが運動によって撤去が進んでいるのと大違い。インドとパキスタン国境のエンターテイメントが、びっくり。2025/01/21
れぽれろ
6
近現代のナショナリズムやイデオロギーに関連する国内外の様々な史跡・記念碑などを、著者が2年半にわたり取材した成果をまとめた一冊。多くの史跡・記念碑とその背景が詳述される本書ですが、公的機関による「上からの統制」(いわゆるプロパガンダ)のみならず、民衆や企業などによる「下からの参加」にも大きく着目しているのがポイント。これらの「国威発揚」的なるものをどう考えるか、そのヒントを与えてくれる本になっています。2024/12/31