出版社内容情報
ああ、夢は、どうしてこんなに美しいのだろう。
叶わないとわかっていても、こんなにも心を掴んで離さないのだろう――
うちに秘めた夢を明かし、散り去る彩輝晶。残るは二つ、光と闇を宿すそれぞれの輝晶は語る。人々の夢を担い、光神サマーアを打ち砕いたアライス。太陽姫と呼ばれる彼女が、ずっと隠してきた目映いまでに純粋な願いを。そして叶わぬまま抱き続けるツェドカの狂おしい想いを。本篇堂々完結!
中公文庫『夢の上 夜を統べる王と六つの輝晶 3』を改題し、書き下ろし番外短篇「輝晶の欠片 最初の夢」を新たに収録。
内容説明
打ち砕け、お前の恐怖を、我らを押さえつける偽りの神を。光神サマーアは砕け散り、王国に青空は戻る。だが、アライスの秘めたる真の願いとは…。書き下ろし短篇「輝晶の欠片 最初の夢」を収録。夜明けを望んだ人たちの物語、本篇完結。
著者等紹介
多崎礼[タサキレイ]
2月20日生まれ。2006年、『煌夜祭』で第二回C★NOVELS大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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misa*
37
ああ、とうとうこのシリーズも最終巻。ツェドカの孤独を抱えながら愛を求め続け、貫こうとする姿に胸が締め付けられながら、闘い続けるツェドカが好き。そして最後に多崎先生が新たに短編を書いてくれた欠片のも、とっても良かった。来年外伝が出るらしいので、そちらも楽しみにして待ちたいと思う。2024/12/27
よっち
24
太陽姫と崇められ人々の夢を担いながらも、父に認められたいという想いを捨てられなかったアライス。そんな彼女とツェドカの物語を描く第三弾。人々の夢を担い光神サマーアを打ち砕いたアライス。太陽姫と呼ばれる彼女が、ずっと隠してきた目映いまでに純粋な願い。真っすぐなその行動は母の愛を疑い父に愛されたいという想いから、やや考え方が感情的で甘く早まった行動を取りがちな印象もありましたけど、複雑な想いを抱えていたツェドカ含めて多くの人々の積み重ねの上に立った彼女がこれからどのような王となるのかちょっと気になる結末でした。2024/12/12
MERIKO
6
本当に夢中になって読みました。今までのお話の復習のようにもなっていて全ての内容が理解できこの本の面白さや奥深さに感動しました。ツェドカ目線からのお話はツェドカの孤独や聡明さ、頭の良さがよくわかり、サファルと出会えてひとりぼっちでなくなり良かったと心から思います。 最後のイズカータとツァピールのお話。2人とも幸せになれること間違いないですね。2025/03/07
sak
3
読後、「夢の上」というタイトルがズシッと重くのしかかる。 一巻を読み始めた時は、あまりパッとしないタイトルだと、生意気にも思っていた。だけど、今ではこれ以上ないタイトルだと思わざるを得ない。 様々な人々が、生きて歩んで関わって、そうして出来上がった世界を、目の前に差し出されていると感じた。 この世界は美しいのだろうな、という確信もあった。青空を取り戻した後ならなおさら。 そして装丁も美しい。飾りたい。2025/03/11
YABI-chan
3
ついに最終巻。待ちに待ったアライスとツェドカの話はもう良いに決まってる。ツェドカ…きっと彼もいい王になれたよ。アライスが幼少に言ってたようにツェドカが頭を使ってアライスがツェドカを守る、その未来が見たかった…でもきっとサファルがいてくれたからハウファを想い続けたから完全な孤独ではなかったよね。アライスは心が挫けないといいけど…きっとまだまだ大変なことはたくさんある、次作のサウガ城の六騎将でどんな王になったか描かれてたらいいな2025/02/07