出版社内容情報
聞いてはいけない。「本当はこわい」落語にちなんだ、どんでん返し満載の本格ミステリ。デビュー三十周年記念作品。
内容説明
その噺を聞いてはいけない。男たちを地獄へ引きずりこむ闇の落語会。
著者等紹介
愛川晶[アイカワアキラ]
1957年福島市生まれ。94年『化身』で第5回鮎川哲也賞を受賞。トリッキーな本格ミステリを基調としながら、サイコサスペンス、ユーモアミステリ、人情ミステリと幅広く活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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シャコタンブルー
54
怪談落語とミステリを巧みに組み合わせた構成で最後まで面白く読み切った。目の前で噺家の落語を聞いているような臨場感でグイグイと引き込まれた。心の奥底に潜む「恐れ」が落語の進行と共に露わになっていく。秘めていた過去が隠していた犯罪が忘れていた記憶がよみがえる。魅力的な居酒屋やバーで酒を飲むシーンが印象的だ。酒席では見知らぬ男が隣に座り話かけられたら警戒しよう(笑) 熟成した酒をじっくりと味わったようなコクのある内容だった。怖い話だが最後のオチは鮮やかで思わず笑ってしまった。2024/12/02
rosetta
27
★★★☆☆神楽坂を舞台にした落語ミステリーでファンになった作家さんの新作は、落語がベースでも連作ホラー。3篇のラストは落語のサゲで締めるという仕掛け。2025/03/15
ren5000
26
落語を元にした3編の連作集。なんかね、文章自体がちょっと読みにくいし回想やらなんやらでこの人誰?ってなることがしばしば。もひとつ物語に入り込めないまま読了。2025/04/18
遊々亭おさる
17
その落語会に足を運んではいけない。特に後ろ暗い過去や邪な思いを隠し持つ者は。高額なチケットを買わされた三人の男たちは、表舞台から姿を消した落語家・花山亭喜龍が語る噺に過去に自分が犯した罪の痕跡を見る。数多くの落語ミステリを上梓してきた著者は人情を小説で語る作家さんとのイメージを持っていたが、本作は同姓同名の別人が書いたのかと思うほど人の暗黒面を見せつけられる一冊。とはいえ落語の本分は笑い。緊張の緩和の緩急のサゲがクスリと笑える表題作がお気に入り。マニアでも知らない噺もあり、興味を持ったらYouTubeへ。2024/11/13
てつろう
12
怖い落語に合わせたホラーな連作短編集。怖いだけでなく残酷でエッチな部分も多い。基になる落語をもう少しわかったら細かい仕掛けも理解できたかもしれない。気味が悪いのでエッグか!2025/03/02