出版社内容情報
日々の暮らし、親しい人への想い、詩について、老いと死……
東京と熊本の空をこえて、90代と60代のふたりの“ここだけの話”
内容説明
日々の暮らし、親しい人への想い、詩について、老いと死…東京と熊本の空をこえて、90代と60代のふたりの“ここだけの話”
目次
第1章 ひとり暮らしの愉悦
第2章 生身で生きた文学史
第3章 子どもの頃のウソと傲慢の罪
第4章 詩とことば(1)―五感でとらえ、体内音楽に従う
第5章 詩とことば(2)―詩にメッセージは必要か
第6章 仏教のいいとこ取り
第7章 九十代、老いは進化する
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
62
【ことばにできないことが本質に近い】90代と60代の詩人の対談集。題名がいいですよね。伊藤は言う。<北米先住民の口承詩や説教節、お経といった口承文芸に興味を持つようになるんですけど、そこには、谷川さんのマザー・グースの影響も絶対にあると思う。それから河合隼雄さんとの『魂にメスはいらない』、朝日出版社のレクチュア・ブックスの一冊ですよね。学者と文学者が対話していくシリーズ。ああいうの、ほんとにかっこいい、やりたいと思った。それから糸井重里さん、何だかあの頃、谷川さんと糸井さんがものすごく近い>と。大同感!⇒2024/11/17
けんとまん1007
62
やっぱり、谷川俊太郎さんは別格だ。削ぎ落とされた言葉が、どうやって紡がれているのかが、少しだけだと思うが、わかったように思う。それにしても、その思考の伸びやかさは、さすがだと思う。2024/11/10
とよぽん
57
お二人の共通点は、率直だということ。親子ほど年齢は離れているが、老いや死、人間という存在に向けるまなざしが当事者感覚? (ちょっと言葉足らずかも) だと思った。谷川さんという対談相手がいた伊藤比呂美さんが、うらやましい!2025/01/11
ケイトKATE
27
谷川俊太郎の追悼として読む。本書は、長年親しかった伊藤比呂美と対談したもので、伊藤比呂美の問いに谷川俊太郎が答えており、師弟かつ親子のような関係性で微笑ましいものがあった。それと、『高橋源一郎の飛ぶ教室』谷川俊太郎追悼特集で、高橋源一郎と伊藤比呂美による思い出話に、谷川俊太郎はさぞかし喜んでいただろうなあ。2024/12/05
さくら咲く
25
楽しい楽しい対談集。残念ながら谷川さんが最近亡くなられた。正直者の2人の対談は興味深い。鬼才の2人にして難解な内容もあったが詩人とはこう言うものかと解らないながらも本人達は通じているのだなぁと実感。死についての奇譚なき考えも多く語られている。比呂美さんの生き様にも昔から興味津々。お友達の枝元なほみさんの病状を我が事の様に心配する人間味に触れた。昨年、酸素ボンベを背負って料理番組に出演してしていたのを観ている。どうぞ比呂美さんの為にも長生きしてください。2025/01/19