出版社内容情報
日々の暮らし、親しい人への想い、詩について、老いと死……
東京と熊本の空をこえて、90代と60代のふたりの“ここだけの話”
内容説明
日々の暮らし、親しい人への想い、詩について、老いと死…東京と熊本の空をこえて、90代と60代のふたりの“ここだけの話”
目次
第1章 ひとり暮らしの愉悦
第2章 生身で生きた文学史
第3章 子どもの頃のウソと傲慢の罪
第4章 詩とことば(1)―五感でとらえ、体内音楽に従う
第5章 詩とことば(2)―詩にメッセージは必要か
第6章 仏教のいいとこ取り
第7章 九十代、老いは進化する
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TakaUP48
65
東京と熊本の空をこえて語りおろした、90代の谷川さんと60代の比呂美さんの“ここだけの話”を拾い書き。「『傲慢さ』あらゆる人が大なり小なり持っている」「友だちはいなくてもいい」「ウソはいくらでもつけると傲慢の罪」。詩は「場面の人」。5分で詩を書くには、①散文を書く②自分のお気に箇所を切り抜く③1行開けて、お気に3行を送る④切り抜く基準は「他人」が読んで面白いか?「虚空に帰依し、自然に帰依するのが好き」。91歳の父とバルセロナへ観光旅行。現地に着いてやめる!と言い出した「父の死」の詩が味わい深かった。 2025/06/25
けんとまん1007
65
やっぱり、谷川俊太郎さんは別格だ。削ぎ落とされた言葉が、どうやって紡がれているのかが、少しだけだと思うが、わかったように思う。それにしても、その思考の伸びやかさは、さすがだと思う。2024/11/10
ネギっ子gen
64
【ことばにできないことが本質に近い】90代と60代の詩人の対談集。題名がいいですよね。伊藤は言う。<北米先住民の口承詩や説教節、お経といった口承文芸に興味を持つようになるんですけど、そこには、谷川さんのマザー・グースの影響も絶対にあると思う。それから河合隼雄さんとの『魂にメスはいらない』、朝日出版社のレクチュア・ブックスの一冊ですよね。学者と文学者が対話していくシリーズ。ああいうの、ほんとにかっこいい、やりたいと思った。それから糸井重里さん、何だかあの頃、谷川さんと糸井さんがものすごく近い>と。大同感!⇒2024/11/17
とよぽん
58
お二人の共通点は、率直だということ。親子ほど年齢は離れているが、老いや死、人間という存在に向けるまなざしが当事者感覚? (ちょっと言葉足らずかも) だと思った。谷川さんという対談相手がいた伊藤比呂美さんが、うらやましい!2025/01/11
ケイトKATE
27
谷川俊太郎の追悼として読む。本書は、長年親しかった伊藤比呂美と対談したもので、伊藤比呂美の問いに谷川俊太郎が答えており、師弟かつ親子のような関係性で微笑ましいものがあった。それと、『高橋源一郎の飛ぶ教室』谷川俊太郎追悼特集で、高橋源一郎と伊藤比呂美による思い出話に、谷川俊太郎はさぞかし喜んでいただろうなあ。2024/12/05