出版社内容情報
鬼ヶ島から持ち帰った宝物、あれって結局どうなったんだっけ?
実の兄弟ユニット作家「大森兄弟」が贈る、唯一無二のおとぎ話の後日譚
「宝物の元の持ち主は名乗り出よ。」
鬼ヶ島から凱旋した桃次郎は、宝物の持ち主を国中から集めておきながらいっこうに返す気配がなく……。
どこか様子のおかしい桃次郎に、忠義の犬は右往左往、お人好しの猿は呻吟苦悶、雉は毎日どこかの空へ――
「日本一の快男児」のおとぎ話は、めでたしめでたしでは終われない!
内容説明
宝物の元の持ち主は名乗り出よ。鬼ヶ島から凱旋した日本一の快男児桃次郎。宝を奪われた人々を国中から集めておきながら、いっこうに返す気配がなく…。「めでたし、めでたし」では終われない、奇妙奇天烈なおとぎ話の結末は、犬、猿、雉に託された!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
olive
36
装丁一択で読む!大森兄弟?本当に兄弟で書いているそうな。装丁見るとわかるように『桃太郎』の話というか、桃太郎🍑ではなく桃次郎による鬼退治の後日譚。桃から生まれてないし、桃次郎は鬼の首に首ったけ?だし。SFチックというか、すんごい不思議な話。そんな中、雉と佳代の恋バナが救い。発想が奇天烈で、大森兄弟というよりザ、たっち?幽体離脱しそうになりましたとさ。めでたし、めでたし(;'-' ) 2024/09/15
ダミアン4号
35
就寝前に読了してしまった所為か悪夢を見てしまいました。誰もが知る昔話の桃太郎をベースに鬼退治をして凱旋した“桃次郎”一行が取り戻した宝物を持ち主に返還するというお話なのですが…とにかく難解…いったい誰が何で結局どうなったがすっきりせず…桃太郎じゃなく桃次郎…お供の犬、猿、雉は同じだけど…桃次郎の出自は不気味だし…退治した鬼の頭目“宇羅”の生首を愛でるって完全に悪趣味…鬼が島の鬼どもの腕が浜に生える…ホラー…読了後、巻末の既刊紹介で“螺旋プロジェクト”の作家さんだと思い出す…あちらはまぁまぁ面白かったけど…2024/10/14
里愛乍
32
伊坂幸太郎さんのポップにつられて拝読。読み始めて成る程、これはイラハイとかレプリカ的というか、シュール系の物語とみた。文字の可能性とは如何なるものか。まだまだ読み手の方も精進せねばだなぁ。この作家さんは2作目だが、キャラや背景を何処となく可愛らしく書く方だなと思っていて、微笑ましくユーモア味も感じつつ読むのだけど、内容的には結構血飛沫が舞ってたりして。名前の由来には思わず吹き出してしまった。確かに◯◯次郎なんてあんまりだもの。2025/03/28
rosetta
28
★★☆☆☆前から知ってはいたけど多分初読みの作家さん。鬼退治から帰ってきた桃次郎を巡って犬や猿や雉らがなんやかんや。どうにも文章のリズムが自分には合わなくて190ページという短さにも関わらず読みにくいし、ストーリにもまるで面白みを感じず。あえてはっきりと言おう、つまらない!!!!!おそらくこの人の本は二度と読まない2024/11/03
tomi
27
伊坂幸太郎氏おすすめと聞いて、芥川賞候補にもなった事がある兄弟ユニット「大森兄弟」初読み。鬼ヶ島の鬼から財宝を奪い返して凱旋帰国した〈桃次郎〉。しかし元の持ち主を国中から集めたのに、一向に返す気配がない。それどころか持ち主を石に変えたり木に変えたり。人々の不満は募り、忠義の家臣・犬や猿も苛立ちを隠せない… 桃次郎が大切に抱える鬼の首の謎。使用人・佳代と雉とのラブロマンス。奇想天外で、およそ〈めでたし〉とは思えないシュールな世界が展開する。怪作。2024/09/17