出版社内容情報
余白を楽しむ、大人のマンガ。奇妙でおかしな中国怪異の世界を描いた『仙人の壺』と『李白の月』を合本、新作描き下ろし作品を収録。
内容説明
中国四千年の余白を楽しむ大人のマンガ。南伸坊の中国マンガすべてと本書のための描き下ろしを収録した決定版。
目次
仙人の締切
寒い日
斧の時間
茶肆の客
水人形
金銀の精
白い娘
鼠の予言
二本の箒
家の怪
へんな顔
柳の人
寿命
四足蛇
夢の通路
怪異
変貌
息子の壺
未来の巻物
玻璃の中の仙人〔ほか〕
著者等紹介
南伸坊[ミナミシンボウ]
イラストレーター・装丁デザイナー・エッセイスト。1947年、東京生まれ。東京都立工芸高等学校デザイン科卒業、美学校・木村恒久教場、赤瀬川原平教場に学ぶ。雑誌「ガロ」の編集長を経て、フリー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
buchipanda3
102
中国の古い奇談を元にした漫画集。こういう短くて不可思議で唖然となる話は好物。それを伸坊さんの愛嬌ある味わい深い絵で読めるとなるともう堪らない。34篇たっぷりと堪能した。多くの話に仙人が出てくる。でも人生観を諭すように説教臭いわけではない。むしろ訳が分からぬ終わり方をする。それがまた良いのだ。世の中、道理ばかりが全てではないよなあと、気持ちが大らかになった気がする。著者の飄然とした絵(たまに妙に色っぽい)と自在な解説文を合わせて読むとさらにそう思う。「家の怪」で拱手した後の猫と家人が並んで見せる表情がいい。2024/02/28
こけこ
2
中国の物語は、昔からイマイチ共感できなかった。そう思うんだって、ちょっとカヤの外から見ている感じ。中国の不思議な怪奇物語と南氏の絵が出会ったら、私も不思議の世界に入れた。エッセイも楽しいし、空想に浸った。2024/12/27
りんご1つ
1
なんと不思議な。読んだことないカテゴリーだ。 短くてサクッと終わってしまう。だからどうだというわけでもなく、ふっつり切れた奇妙な感覚が面白い。説教でもなく意味付けするでもなく、なんだか自由でフワッと浮かんでる感じ。空中散歩。 別の世界をのぞいてしまったようだし、自分の実感ってそもそもほんと?とむしろこちら側をすこし疑ってしまうような感覚になった。 シンプルで魅力的、気になる漫画の絵もいいです。2024/08/10
brzbb
0
『捜神記』や『聊斎志異』からとった短い不条理な話を南伸坊が漫画化したシリーズの総集編+新作1本。『チャイナファンタジー』にはついていなかった「蛇足」と題する著者本人による解題も味わい深い。「鼠の予言」「夜の蝶」「耳中人」などのあっさり死んじゃったり発狂しちゃったり死期を予言される話もこわくておもしろいし「変貌」や「息子の壺」、とくに「四足蛇」は不条理の極みで、もっとこんな話紹介して読ませてほしいと思った。2024/11/02
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