出版社内容情報
魔物の姫に会ったあの時、人生のすべてをかけて、彼らを救うと心に決めた――
ここは生物も住めぬ死の海に浮かぶ十八諸島。〈語り部〉たちが島々を巡り集めた物語を語り継ぐため、年に一度、冬至の晩に煌夜祭が開かれる。今年もまた人を喰らう恐ろしくも美しい魔物と人との誓いの物語の幕が上がる。
『レーエンデ国物語』で話題沸騰の著者の原点となるデビュー作に、外伝「遍歴(ピルグリム)」「夜半を過ぎて 煌夜祭前夜」を加えた決定版。
内容説明
冬至の夜に語られる人と魔物の誓いの物語。『レーエンデ国物語』著者の原点、圧巻のデビュー作!外伝短篇「夜半を過ぎて 煌夜祭前夜」「遍歴」収録。
著者等紹介
多崎礼[タサキレイ]
2月20日生まれ。2006年、『煌夜祭』で第二回C★NOVELS大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
216
多崎 礼、四作目です。「レーエンデ国物語」が、面白くなってきたので、著者のデビュー作の新装決定版を読みました。まだ新人に近いのかと思っていたら、もうデビューして17年の中堅作家でした。本書の設定は好いと思いますが、まだ読者を魅了するようなファンタジー力はありませんでした。 https://www.chuko.co.jp/special/raytasaki/koyasai/ 2024/01/28
たいぱぱ
66
俺の名前はトーヘンボク。物覚えの悪い語り部さ。間違いなく傑作なのに、間違いなく君の頭を混乱させる作品を語らせてもらうよ。物覚えの悪い俺は「あれ?この名前は前の話にでてきたような…」と何度も何度も繰り返し読んじゃったから結局3回くらい再読してることになっちゃった。これから読む人はお話毎に登場人物を書いておくことをオススメするよ。なるなる、昔話風ファンタジーなのね。とわかったさんしてると、あれま!とワクワクして、こりゃまた!とゾクゾクして最後は思わず立ち上がって涙することになるんだ。さぁ次の語り部は誰かな〜?2024/09/23
星群
62
初読み作家さん。〝冬至の夜、我らは島主の館に集い、夜を通じて話をする。それが煌夜祭ー年に一度の語り部の祭〟設定は興味深く面白そうで手に取ってみたんだけど、ちょっと思ってた感じと違ったかな。ともあれ、これがデビュー作、その先が楽しみな作家さんです。2024/08/04
ケロリーヌ@ベルばら同盟
52
その中心に王の座す島を戴き、浮遊する島々が構成する不思議な世界で、年に一度、最も昼が短い日に行われる煌夜祭。それは、十八諸島を遍歴し、各地の出来事や先人達の智慧を収集し、他の地へと語り継ぐ者たちが、夜通し物語をする語り部の祭。日没から日の出まで、かつての島主の館であった廃墟で、二人の語り部が交互に紡ぎだす物語は、祭の縁起、哀れな夜の生き物、醜い諍い、ある島の滅亡…。暗闇の中僅かな燈火に、一瞬閃く火花のような人の営みと、死ぬことのない魔物の業が絡み合い、結び合わされ、忘れ去られることなき叙事詩となってゆく。2024/09/03
b☆h
46
去年から読みたかった一冊。たまたま書店にあるのを見つけて。語り部の話にあっという間に引き込まれて、気付けば涙が…。途中から呼び名と本名が入り混じり混乱しながらも、一気に読み終えた。今年は苦手なファンタジーも、いくつかの良作に巡り合えて嬉しい。愛する人を想う気持ちと、本能の狭間で苦しむ姿が切なくも美しいと感じた。読み終えてからも、しばらく表紙を見ながら余韻に浸った。2023/12/11
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