出版社内容情報
卒業後7年ぶりに再会した、北海道立白麗高校3年6組の元クラスメートたち。それは同窓会ではなく、クラス担任だった水野先生の葬儀だった。思いがけず再会した皆は、高校時代の思い出話に花を咲かせる。そして水野が授業中におこした〝事件〟が切っ掛けで不登校になったクラスメートがいたことを思い出す――。かつて高校生だったものたちを睨む〝過去〟。大人になるとはなにか、そして生き直すことは出来るのか。誰もが自分に問いかけた思いを描く、青春群像劇の傑作。
内容説明
「彼が不登校にならなかったら、世界は変わっていたのかな」。7年ぶりに再会した、北海道立白麗高校3年6組の元クラスメートたち。それは同窓会ではなく、担任だった水野先生の葬儀だった。思いがけず再会した皆は、水野が授業中に起こした“事件”が切っ掛けで不登校になったクラスメートがいたことを思い出す。今、彼は―。
著者等紹介
乾ルカ[イヌイルカ]
1970年北海道生まれ。2006年、「夏光」でオール讀物新人賞を受賞。10年『あの日にかえりたい』で直木賞候補、『メグル』で大藪春彦賞候補(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
250
乾 ルカ、4作目です。北海道立白麗高校三部作、「水底のスピカ」に続く第三弾です。タイトルから同窓会で殺人事件が起きるイヤミスかと思いきや、もやもやとした青春群像劇でした。 https://www.chuko.co.jp/tanko/2023/10/005697.html2023/12/22
いつでも母さん
163
高校卒業から8年、確かに恩師の葬儀の後はプチ同窓会の集いになったりするかもね。だが、8年は生々しい。思うと私だけじゃなく、脛に傷を持つ人が多いのかもしれない。そんな過去はありませんか?それは大きさ・深さに拘わらずだったりするのが痛く哀しい。どこかで決着を見る日が来るだろうか。笑い話になんかならないのはまだ若い?いっそ墓場まで持って行けって訣別する?キラキラだけじゃないあの頃を思い出したが、半世紀も前のことでギョッとした私(汗)随分と遠くまで来ちゃったなぁ。って、感想になってない。。2023/10/31
モルク
135
白麗高校三部作の完結編。卒業から7年、3年6組の担任の葬式に集まった同級生たち。当時クラスで担任が起こした事件の謎と波紋、いじめやスクールカースト。いじめた側の心理といじめられた側の忘れられないトラウマの格差などを交えながら話は進む。そこに山に登っている男ふたり。どう繋がるかは予測できるが、この二人の未来に希望がもてる。学生時代のいろいろな感情が思い起こされこみあげるものがある。2024/01/15
ウッディ
94
高校の担任教師のお葬式で久しぶりに集まったクラスメイトは、生徒たちから慕われていた先生が、一人の生徒に授業中にイジメとも思える態度を取り、中庭の噴水前で、2組の男女の告白があった日のことを思い出す。大人になっても変わらないパワーバランスの中で、いじめを機に不登校になった船守と心に傷を負った優菜は、自分の心の声を言葉にできるのか?最近、スクールカーストに関する物語が多く、食傷気味ですが、華のように大人になってもマウントを取ろうする人が自爆するのは少し気持ちよかった。2024/01/25
J D
94
青臭いようでありながら、それって「真理」だよな。って思う言葉が散りばめられていて大切に読みたい作品でした。ここに登場するかつての白麗高校3年6組の面々は、26歳。まだ、若い。成長途中だからこそ、起こるやり取りがある。華や望月にはこれから成長してほしい。 6月21日の授業の描き方は斬新で印象に残った。色々な視点で角度を変えてそして真相にフォーカスする。プロのワザを見た。ところでこれは3部作らしいのまだ読んでいない「水底のスピカ」読もう!いじめについて考える良い作品でした。おすすめです!2023/12/24