出版社内容情報
イタリアからのメールがぷつりと途絶えた2021年。その日、スポーツクラブで思いがけずあの人の背中を見た。まさかこんなところに!? 次の瞬間、私にはわかった。あぁこれが彼からの「合図」なのだと――。
1975年、伊紙でペンパルを募った33歳の主婦・怜子。数多の返信の中でも、パオロという男とは、不思議なほど文学や芸術の好みが一致した。育児に追われつつも勉学への志断ちがたく煩悶する怜子に、サラリーマンの夫はまったく無頓着で、海の向こうの男へと精神的傾倒を深めていく。
転機は78年、ついにふたりは対面した……。
内容説明
夫は、私のこの秘密を想像だにしないだろう。ある翻訳家の告白的小説。1975年、ペンパルとして出会った主婦・怜子とイタリア人数学者・パオロ。魂の交流がやがて現実の交情に変じ、互いが79歳と87歳になるまでの濃密な日々を描く。
著者等紹介
泉典子[イズミノリコ]
イタリア語翻訳家。東京外国語大学大学院修士課程修了。本書は初の自著小説(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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けいこ
36
イタリア語翻訳家である著者の回想録。歳上のイタリア人男性と文通する事になった著者。手紙のやり取りをしているうちに、それぞれの配偶者との満たされない日々も相まって、文通のみ、それも日本とヨーロッパという遠距離にも関わらず恋に落ちる。押す一方の男性に対して、母親であり、また男性の妻への罪悪感から葛藤する著者。それでもやっぱり終わりにはできないのが恋。今でもきっといい思い出なんだろうと思う→2023/05/28
タピオカ
16
図書館の新刊コーナーでタイトルに惹かれた。1975年、新聞の読者通信欄の投稿で出会った主婦・伶子とイタリア人数学者・パオロ。文通により魂の交流を深めるが、やがて現実の交情に変じる。家族も含めた交流に後ろめたさを感じ、揺れたり離れることもあったがそれを超えるかえがたい結びつきがだった。互いが79歳と87歳になるまで生涯続く。刺激的。2023/05/26
A S
1
1965年から2021年までのずっと続く不倫関係。お互いが伴侶に欠けているところを不倫相手に求めている感じがした。日本とイタリアとの遠距離なので主に文通と電話とメール。 何年かに一度会う時にはお互いの伴侶同伴で。←これにはビックリ。2023/06/06
おけた
0
592024/07/20
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