出版社内容情報
世界の中心に聳える巨大な〈木〉。人々は枝の上に家を建て、各地から人が集まり、やがて国ができ、文明ができた。だが、他国から〈木〉のもとを訪れた学者は気がつく。
「こんなものは本来、地球に存在しえない」。
この〈木〉はいったい何なのか?
宗教の長となった少女、天文学に人生を捧げる青年、革命組織に身を置く男――
数奇な運命に巻き込まれた人々の叡智と苦悩が積み重なり、やがて壮大な謎が解き明かされていく。
これは力ではなく、知性で世界を変えようとした人たちの、幾千年の物語。
内容説明
世界の中心に聳える巨大な“木”。人々は枝の上に家を建て、各地から人が集まり、やがて国ができ、文明が生まれた。だが、他国から“木”のもとを訪れた学者は気がつく。「こんなものは本来、地球に存在しえない」この“木”はいったい何なのか?宗教の長となった少女、天文学に全てを捧げる青年、人生に絶望する配達員の男―運命の奔流に巻き込まれた人々の苦悩と情熱が積み重なり、やがて壮大な謎が解き明かされていく。これは力ではなく、知性で世界を変えようとした人たちの、幾千年の物語。
著者等紹介
青羽悠[アオバユウ]
2000年、愛知県生まれ。2016年、『星に願いを、そして手を。』で第29回小説すばる新人賞を史上最年少の16歳で受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
美紀ちゃん
63
SFファンタジーだった。 世界の中心にそびえる巨大な木。 世界観が壮大。 前作とはまるで違う作風なので驚いた。 同じ世界で時期が違う短編集。 アニメ映画化しそう。2022/11/18
ひらちゃん
53
著者の過去の作品とは、一線を画すものだった。とある場所にある大木の存在と人類。聖女はその声を聞いたのか。天文学者は、旅をしてきた学者は…。宗教的な意味や時代も超えて、壮大な作品だった。地球にはありえない木。その存在の意図するものはいったい何なのか。最後にはこんな映画もありそうだという結末が待っていた。著者の瑞々しさが変ってきているのか。変わろうとしているのか。これからが楽しみ。2022/11/14
ぽてち
45
青羽悠さんが初めて青春小説以外を書いたというので期待して読み始めた。プロローグ、エピローグを別にして5章からなる物語は、ファンタジーからSFへと変貌していく。世界の置かれた状況が見え始め、それまでの謎が解けていく構成はうまいが、結局何が言いたいのかが不明瞭なまま終わってしまった。そもそも物語の舞台が〈この惑星〉である理由も必然もなく、説明もされておらず不親切だ。過去に読んだSFやファンタジーの名作のあれこれが頭を過るのもマイナス要因。アニメにでもなれば面白いかもしれないけれど、小説としてはイマイチだった。2022/12/03
よっち
42
世界の中心にそびえ続ける巨大な木。数奇な運命に巻き込まれた人々の叡智と苦悩が積み重なり、やがて壮大な謎が解き明かされていく物語。宗教の長となった少女、天文学に人生を捧げる青年、革命組織に身を置く男など、時代も進み視点も変わりながら、文明が成熟してゆく中でも大いなる力を信じて、力ではなく知性で世界を変えようとした人々のあがく姿を描いた連作短編で、地球に存在しえないこの木は一体何なのか?これまで著作とはまただいぶ違うカテゴリに感じられた作品でしたけど、壮大なスケールで描かれたその結末はなかなか印象的でしたね。2022/11/15
rosetta
37
★★✮☆☆遙か太古に大地に打ち込まれた[木]。枝の上を車両が対面で走れるほどのその木はある時は信仰の中心となり、ある時は天文台となり、また帝国の首都となり、反乱の揺籃ともなった… 若い作家さんの仕事を否定したくはないが、せっかくの素材を台無しにしてしまったとしか思えない。幾らでも面白くなりそうな設定なのに読んでいる間ずっと退屈さしか感じなかった。場面やエピソードの切り取り方に失敗していると思う。若くしてデビューした作家さんなのだから経験豊富な編集者が適切にアドバイスして大事に育てなければいけないのでは?!2022/12/11